カン・ハンナさんが衝撃を受けた「釜揚げうどん」 美味しいNIPPON

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 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第36回は、カン・ハンナさん。今回は「根津 釜竹(かまちく)」に伺いました!!

 歌人でタレントのカン・ハンナさんは、日々散歩をする。優雅なご趣味で、と思うのは早計。

「短歌やエッセイ、また現役の大学院生なので論文の執筆などのため、常に新しいインプットを見つける必要があるんです。私の散歩は、原稿のきっかけになるような興味深いものを発見するためで、それが見つかるまで、決して家には帰りません!」

 と、なかなかストイックな散歩を実践しているのだ。そんな彼女が、台東区境の下町を散策している最中に発見したのが「根津 釜竹」である。

 四国では最もポピュラーで、シンプルなうどんの食べ方である「釜揚げうどん」を楽しめるお店。大きな釜で茹でたうどんは、水で締めずに供される。柔らかい口あたりながら、噛めばコシを感じられ、小麦粉の風味も楽しめる。うどんのつけ汁は、「カツオと昆布などで出汁をとり、化学調味料を一切使っていないもの」(店主の平岡さん)。それゆえまろやかで、うどんの味をより引き立ててくれる。

「韓国にもうどんはありますが、日本でいう『かけうどん』のようなものなので、釜揚げうどんを見たときは、『これ、味がするの?』と懐疑的でした(笑)。でも、まずは経験が大事だと思って口にしてみたら、もうめちゃくちゃ美味しくて! 衝撃でしたね。もう他で釜揚げうどんを食べるのが怖いくらい、このお店のファンになっちゃったんです」

 お店は、住宅街の中に残っていた築100年超の立派な蔵をリノベーションしたもの。席につくと眼前には日本庭園が広がり、下町の中のオアシスといった趣だ。このお店と、それに隣接する建物の設計を担当したのは、建築家の隈研吾氏というから、カンさん、お目が高い!

「こちらのお店のように、ものづくりの精神が感じられ、地域と深く繋がっている飲食店に、私は深く心を動かされるんです」

 繁華街の人気店やお洒落なお店以外にも、日本には魅力あふれる飲食店が沢山あると力説するカンさん。最近は、昔ながらのパン屋さん巡りにもはまっているそう。

「パンに関しては詳しいですよ! パン・ハンナって呼んでください(笑)」

週刊新潮 2020年4月16日号掲載

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