上皇ご夫妻お引っ越し 地元商店街の静かな歓迎

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 皇居を離れた上皇ご夫妻は、先月31日、仮住まいの高輪皇族邸へと移られた。地元の熱狂的な歓迎が想定されていたわけではないが、その反応は少し意外で――。

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 上皇ご夫妻が入られる赤坂御用地の東宮御所は、バリアフリー化などの改修工事に約1年半を要する。そのあいだ住まわれるのが、港区高輪にある今回の高輪皇族邸、つまり「仙洞(せんとう)仮御所」である。

 入口には、警察車両と警察官。見物人が群れることもなく、周囲を見渡しても、“上皇ご夫妻歓迎”といった横断幕があるわけでもない。どことなく淋しげな気配が漂うのだ。地元の「メリーロード高輪商店会」の大駒敏会長に聞くと、

「お引っ越しが決まった当初、商店会や町会の皆さんで、お引っ越しの日に、“奉迎”と書かれた提灯を持ったり、旗振りでお出迎えしようという話が出てはいましたけど、やめたんですよ」

 後を受けて、洋菓子店を営む女性はこう語る。

「皇族邸には高松宮さまがお住まいでしたから、周辺の人々は、身近に皇族の方が暮らされることに馴れています。騒ぎ立てず、静かにお迎えする心構えができているのは、この土地ならではだと思います」

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