「コロナ相場」で私は地獄に落ちた

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“株”の世界には、〈下げ相場は玄人相場〉なる格言も存在する。ここにきて回復の兆しを見せ始めたマーケットだが、いわずもがな、依然として予断を許さない。コロナ相場に大金を注ぎ込んでしまった素人トレーダーたちは、“地獄”を見ていた。

「含み損が780万円に達した時はさすがに血の気が引きましたよ……」

 外資系メーカーに勤める40代の男性は、乱高下するコロナ相場の先行きにいまも戦々恐々としている。

「株式投資を始めたのは2年前で、当初は現物取引だけでしたが、最近はリターンの大きい信用取引が中心。具体的には、今年1月に任天堂と化粧品会社のコーセーの株を買っています。任天堂は4万2000円で500株、コーセーが1万5000円で400株くらい。一時はふたつ合わせて20万円のプラスだったのですが、そこでコロナ騒動に見舞われたのです」

 どちらの株も2月後半から値を下げ始めたものの、“コロナ相場”を甘く見て損切りをためらったという。

 それどころか、

「多くの企業が在宅勤務に切り替えたというので、3月に入ってからテレワーク関連のアセンテック株を2800円で1000株購入したんですね。これが裏目に出てしまった。わずか2週間後に株価は1700円台まで急落しました」

 1月に買った株もガクンと値を下げ、日経平均株価が1万6000円台に突入した3月13日には、含み損が約780万円に膨れ上がった。

 しかも、信用取引だったがゆえに、

「このまま株価が下がれば強制決済されてしまうので、あらゆる口座から合計800万円をかき集めて証拠金に充てました。この間、株価が持ち直し、どうにかクビの皮一枚で繋がった格好ですが、今後、五輪延期を巡って再び株価が暴落したらと考えると、生きた心地がしません」

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