わかめ4・5倍!麺なし「わかめラーメン」が発売 「わかめスープ」とどこが違うのか?

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「私も食べてみて、そう思いました」

 果たして「わかめラー」はヘルシー志向から生まれた商品なのだろうか。発売元のエースコックに聞いてみよう。

広報:ご指摘のような糖質オフを代表する健康意識は、企画の根幹にございません。

――え? では、なぜ麺なしに?

広報:ロングセラーの「わかめラーメン」をプロダクト方向から盛り上げる意図で、本品を開発しました。「わかめラーメン」の“良さ”や“らしさ”を伝えるには、商品特長の変化でも強化でもありません。“「わかめラーメン」のアイデンティティの究極化だ!”と思い、開発の方針にしました。

――「わかめラーメン」の発売は1983年、37年前のことだ。40代以上の方なら、法被(はっぴ)姿の石立鉄男が大うちわを振りながら、「♪わ~かめ、スキスキ、ピチピチィ~」とやっていたCMを思い出す方も少なくないだろう。確かに大量のわかめは、「わかめラーメン」のアイデンティティである。だからといって、わかめだけとは……。

広報:その上で、“お客様にこの商品をどう楽しんでもらうか”と考え、目と口とシェアして(写真を撮って)楽しめる商品をテーマに、わかめに特化した商品にしました。

――実際に食べると、どんな感じなのだろう。

広報:まず商品を手に取ると、軽いです。空っぽかと思うほど。

――まあ、大きめの「わかめラーメン」のカップに入っているのは、“かやく”と“スープの粉末”だけなのだから、スッカスカだろう。

広報:でも、わかめの量は通常「わかめラーメン」(19年8月発売品)の4・5倍ですから、お湯で戻した後のインパクトたるや大きいですよ。わかめ好きにはたまらないと思います。

――だが、ネット上では、《それって「わかめスープ」だろ!》とのツッコミも見受けられるが?

広報:いろいろな考えがあっていいのではないでしょうか。話題にしていただけるだけでもありがたいです。それに「わかめラー」のパッケージの表示は、「即席カップめん」ではなく「即席スープ」と記載しています。表示区分から判断すれば、「わかめスープ」こそ、商品の実態を表現するのに近いかもしれません。私も食べてみて、そう思いました。

――あー認めちゃった……。

広報:しかし繰り返すようですが、本品は「わかめラーメン」の“良さ”や“らしさ”を伝えるために生まれた商品です。企画の軸が“わかめスープ”を作るというものであれば、本品とはまったく別の仕様になったはずです。企画の軸は、あくまで「わかめラーメン」です。そのためメニュー名に“スープ”という表現は使わず、「わかめラーメン」から“メン”を無くした「わかめラー」としました。

――前出の大山即席斎氏の発言にもあったように、「わかめラーメン」は発売35周年を迎えた2年前には、わかめ3・5倍バージョンを発売した。なぜ“麺なし”は今年になったのか。

広報:実は昨年の今頃も“帰ってきた3・5倍”を発売しているんです。毎年、今頃の時期に、「わかめラーメン」の活性化を目指し、盛り上げる企画を考えています。

 ちなみに、石立のCMでは、「お前はどこのわかめじゃ?」のセリフも流行った。念のため聞いてみると、「わかめラーメン」のわかめは海外産とのこと。

 麺なし「わかめラーメン」の「わかめラー」は、「わかめスープ」とどう違うのか。もうすぐあなたの舌で確認できる。

週刊新潮WEB取材班

2020年3月26日掲載

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