「フワちゃん」の笑いは規格外 予定調和のバラエティに風穴

エンタメ 芸能 2020年3月17日掲載

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 フワちゃん(27)を知らない人は、もういないだろう。約2年前にYouTuberとなり、ここ1年ほどはタレントとしてテレビでも大活躍中だ。明るくパワフルなのが売り物。その人気は今後、ますます高まりそうな気配だ。

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「おはぴょ~ん! フワちゃんで~す」

 どこでも元気よく声を張り上げるのが、フワちゃん流あいさつ。常に明るくパワフルなキャラクターが売り物だ。

 その持ち味はファッションにも鮮明に表れている。寒い時期であろうが、黄緑など明るい色のスポーツブラに短パン。お腹は丸出し。いつでも体を動かせそうだ。

 かといって体育会系では決してない。なにしろ、目上の人であろうが、敬語というものを一切使わない。礼儀がデタラメ。相手が大先輩であっても一貫してタメ口だ。

 2月11日放送のTBS「バナナサンド 2時間スペシャル」でもそうだった。バナナマンの設楽統(46)と日村勇紀(47)、サンドウィッチマンの伊達みきお(45)富澤たけし(45)に終始タメ口。ゲストだった元横綱・貴乃花(47)にも敬語を使わず、周囲は気色ばんだ。

 これまでに周囲から何度も「おまえタメ口やめろよ」と、たしなめられたが、全然あらためないし、全くめげない。「てへへ」と笑うばかり。

 敬語を使わないだけではない。2月24日放送のテレビ朝日「帰れマンデー見っけ隊!!」で、またサンドウィッチマンや千葉雄大(31)らと共演し、静岡県修善寺方面への路線バス旅行に出向くと、「楽しい~。今度はみんなで、仕事抜きで来ようよ」と、大はしゃぎ。仕事中の緊張感も全くないのだ。

 もっとも、それがフワちゃんの魅力でもある。誰彼かまわず共演者たちと遊び仲間のように接するので、フワちゃんが出演すると、番組がパッと明るくなる。堅苦しさが消える。

 そもそも、フワちゃんがタメ口オンリーなのは仕方がない面もある。基本的には敬語のない米国ロサンゼルスで、小学校2年生から4年生までの2年間を過ごしたのだ。フワちゃんは今年2月に公開されたYouTube動画「LA里帰り」の中などで、「ロサンゼルスが第2の故郷なんで~す」と明かしている。

 東京都八王子市で生まれたが、父親の仕事の都合で渡米。このため、「初めて行った大都会は新宿でも渋谷でもなく、ハリウッド」なのだそうだ。

 初共演の相手であろうが、すぐに距離感を縮める術に長けているのも帰国子女であるせいなのだろう。YouTube動画のハリウッドでのロケで、バストの大きいブロンドの女性を発見するや、「わー爆乳だぁー」と抱きついた。でも、相手は嫌な顔ひとつせず、にっこり。

 アメリカには初対面の相手にもフレンドリーな人が少なくない。フワちゃんはそんな文化の中で人格形成期を過ごした。自然と相手との近づき方を身に付けたのだろう。また、フワちゃんが底抜けに明るいので、相手は圧倒されてしまい、思わず胸襟を開くこともあるようだ。

 ノリがいいだけでなく、タレントとして肝心なトークのセンスも抜群。「渋谷にいるヤバそうな奴に職業を聞いてみた結果」というYouTube動画のロケでは、若いにも関わらず地味な服装の女性に近づき、「芸人ですか?」。不躾な言葉だが、フワちゃんが口にすると嫌味が感じられず、女性も思わず吹き出した。

 この女性は浪人生だった。話すうち、やがて女性がフワちゃんに向かって「YouTuberって何が面白いの」などと突っ込む展開に。これにフワちゃんは大喜び。やはり誰とでも瞬時に親しくなれるようだ。

 ボケをかますのもうまい。同じくYouTube動画のロケでハワイへ行った際、飛行中もずっと撮影を続け、キャビンアテンダントが機内をまわり始めると、

「あっ、なんか配っている。ウンコとかだったら嫌だな…」

 そんなはずないし、低俗で品性ゼロの言葉なのだが、意外性があって、間の取り方も抜群なので、思わず大笑いさせられる。こんなネタでもギリギリで下品にならないのは、フワちゃんが明るく健康的だからだろう。

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