警察が介入する「暁星学園」サッカー部の暴行事件

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 今回ばかりは“イエローカード”で注意を促し、終わりというわけにはいくまい。強豪で知られる暁星学園の中学サッカー部で暴行事件が発生。警察が介入する事態に発展しているのだ。

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 130年以上前、カトリックの宣教師によって創立された同学園は、幼稚園から高校までの一貫教育を行う東京・千代田区の進学校だ。また、全国大会に出場経験もあるサッカー部はつとに知られ、例えば、かつてジュビロ磐田に所属した元日本代表の前田遼一は中高サッカー部の出身である。

 その中学サッカー部で1月31日、“事件”は起きた。

「部活動中の15時半頃、中学2年生の部員二人がロッカーの取り合いが原因で喧嘩になったのです」

 とは、さる部員の保護者。

「二人は大外刈りの掛け合いのような格好で倒れこみ、揉み合いに。すると、マウントをとられた部員が顔面に大きな衝撃を受け、意識を失ったのです。その姿を面白がって写真に撮る部員もいたとか」

 だが、すぐにコトの大きさに気づき、慌てて119番通報した。

「救急車で都内の病院に運ばれた被害者の部員は、その日の19時過ぎまで意識が回復しませんでした。幸い脳に異常はなかったものの、それから約2週間は集中治療室から出ることができなかったのです」(同)

 直後からサッカー部の練習は休止。目撃していた部員への聴取がなされ、聞き取った教員は部員に対し、「誰にも話さないように」と釘を刺したという。そして、2月8日に保護者会が開かれた。

 学校関係者が証言する。

「サッカー部の監督は、麹町警察が来て、現場検証をしたと説明しましたが、被害者の容態についての詳細はナシ。中には、“なぜ練習を早く再開しないのか”と訴える保護者もいました」

「根も葉もないことを」

 なぜかと言えば、

「2人の部員は小学校からの内部進学。サッカー部に入れるため、中学から入学させた保護者もいて、温度差があるみたいです」(同)

 ほどなくして練習は再開、今に至っている。

 被害者の親の知人は、

「現在、被害を受けた部員は退院したものの、眼の周りは当初、打撲でお岩さんのように腫れ上がり、今も二重に物が見えてしまうという後遺症があると聞いています。また右膝から下が麻痺し、うまく歩くことができません。そのため、松葉づえで登校しています。精神的ショックによる心理的な要因もあるようです」

 この知人に親の胸中を推し量ってもらうと、

「ネットの掲示板で事件について、根も葉もないことを書かれていることに心を痛めています。その点、学校が生徒や保護者にきちんと説明してくれれば噂も抑えられる、という思いがあるようですよ。また、眼や足のことは心配だけど学校のサポートで高校まで卒業させたいと漏らしています」

 当の暁星学園に聞くと、

「事故はありましたけども、警察の捜査もあるので、お答えできません」

 教育現場に警察が介入する事態になりながら、表沙汰にしたくない思いが強いらしい。

週刊新潮 2020年3月5日号掲載

ワイド特集「地図なき旅行者」より

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