「東京五輪買収」疑惑めぐり… “森喜朗vs.小池百合子”の凄まじき暗闘

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わざわざ補正予算を組む

「里見会長の息子でセガサミー社長の治紀氏は今年1月29日、横浜で行われたカジノを含む統合型リゾート(IR)のイベントで講演し、横浜のIRに参入を目指す方針を明らかにしました」

 と、カジノに詳しい関係者が言う。

「里見会長が菅さんから頼まれて嘉納財団に金を寄付したのは、『カジノ解禁』という“実”が欲しかったからなのかもしれません。ちなみに業界では菅官房長官とセガサミーの関係の近さをもじって“スガサミー”とまで呼ばれています」

 里見会長が金を出した背景には様々な思惑があったようだが、果たしてその金はどのように使われたのか。

 その疑問を解くための「入口」となる極秘資料が手元にある。嘉納財団は資産や収支を一般には公開していないが、本誌は12年から13年にかけての財団の収支が分かる決算報告書を独自に入手。極めて興味深いのはそこに添付された〈平成25年度補正予算案〉と題する資料である(掲載の写真)。そもそも一般財団法人で補正予算を組むこと自体、異例のことだが、注目すべきは〈寄附金収入〉の欄。25年度予算案(補正前)では5千万円だったのが、25年度予算案(補正後)では、2億5千万円となっている。補正の前と後で寄付金が2億円も増額されているのだ。

「その2億円は里見会長が寄付したものでしょう。東京での五輪開催が決定したのは2013年9月。それまでにその2億円を使う予定があったからこそ、わざわざ補正予算を組んで急いで収入に入れ込んだとしか思えない」(事情を知る関係者)

 件の資料を見ると、補正の前と後で〈支出〉の金額も変化していることが分かる。金額の大きいところでは、〈スポーツ分野における国際交流・協力〉に8250万円、〈ドーピング防止等スポーツの価値護持〉に4500万円、〈その他〉に3千万円、〈オリンピック教育及びオリンピズム研究〉に1050万円が追加されているのだ。

 先述した里見会長の「自慢話」には、菅官房長官から「アフリカ人を買収しなくてはいけない」と頼まれた、とのクダリがある。嘉納財団に寄付された2億円はそのために使われたのではないか――そんな疑いを抱かざるを得ないのだ。

 財団に金の使途を問うと、

「『オリンピック買収』というような用途に使用した事実はございません」

 と、回答した。

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