【新型コロナ】東京五輪中止を“賭けの対象”にする海外のブックメーカー で、気になる賭け率は?

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中止と開催、どちらが本命?

 日本時間2月29日の午前1時すぎ、アメリカの有名週刊誌「ニューズウィーク」の公式サイトは、東京オリンピックに関する記事を掲載した。

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 記事のタイトルは、次のようになっている。

「CORONAVIRUS JAPAN UPDATE: TOKYO OLYMPICS 2020 ODDS-ON TO BE CANCELED, ACCORDING TO BOOKMAKERS」

 日本語に翻訳すると、下のような感じになるだろうか。

「日本のコロナウイルス最新状況:ブックメーカーによると、2020年東京オリンピックの賭けは中止が優勢」

 前日の28日、日刊スポーツ(電子版)は「橋本五輪相、五輪1年延期は選手としてあり得ない」という記事を掲載した。冒頭部分を引用させていただく。

《橋本聖子五輪相は28日の衆院予算委員会で、新型コロナウイルス感染拡大を受けて、国際オリンピック委員会(IOC)最古参委員のディック・パウンド氏が、大会を1年延期する可能性に踏み込んだと報じられたことに対し、元五輪選手の立場としての認識を問われて「(延期は)あり得ないと思う」と、否定的な考えを示した》

 橋本聖子五輪相(55)の発言とニューズウィークのタイトルは、実に対照的である。むろん大臣は打ち消しに必死だ。一方、アメリカを代表する週刊誌は、半ばお遊びのようなタイトルになっている。記事を読んだ記者が言う。

「ブックメーカーというのは賭け屋のことで、この世のありとあらゆる現象をギャンブルの対象にします。競馬など本物の賭け事や、サッカーや野球、アメフトといったプロスポーツが基本です。しかしながら欧米のブックメーカーは、アメリカ大統領選やアカデミー賞の結果なども賭けの対象としてきました。そこに着眼してニューズウィークは記事を作成したわけですが、笑いを取るタイプの記事のように見えて、実は辛辣な記述が少なくなかったですね」

 刺激的な部分を日本語でご紹介しよう。まずは興味を持つ方も多い、「オッズ」の問題だ。

《アイルランドのオッズメーカー「パディパワー」は、2020年のオリンピックは中止と賭けるオッズを4/6(註:1・67倍)に変更した。これは東京五輪が中止になったり、日本以外の国で開催されたりする可能性が高いと判断されたことを意味する。

 東京で五輪が計画通り、7月24日から8月9日までの間のスケジュールが保持されるほうに賭けるオッズは、11/10(註:2・1倍)となっている》

 単位を「円」にして説明すると、「東京オリンピックが中止される」に100円を賭けても、167円にしかならない。

 一方、「東京オリンピックは予定通りに開催される」に100円を賭ければ、210円になるわけだ。

 ニューズウィークはオッズを紹介した後、《オリンピックは2度の世界大戦でしか中止にならなかった》と歴史を振り返る。

 1980年のモスクワオリンピックと、1984年のロサンゼルスオリンピックでは参加国のボイコットがあった。

 前者はアメリカを筆頭とする“西側陣営”が、後者は当時のソ連を筆頭とする“東側陣営”が、それぞれ参加を拒否したものの、オリンピック自体は予定通りに開催された。

 2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、ジカ熱の流行に直面した。だが、こちらも何のトラブルもなく開催されたのは、ご存知の通りだ。

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