56年前の東京五輪で臨時列車「オリンピア」が不人気だった理由
ご承知のように、最初の東京オリンピックは1964(昭和39)年10月10日から14日間にわたり開催された。これに合わせ、交通インフラも整備された。10月1日には東海道新幹線、9月17日には東京モノレールが開業している。地下鉄も、日比谷線が8月29日に全線開通した。そんな中、意外と知られていないのは、オリンピックのため走った臨時列車である。東京と熱海を結んだ急行「オリンピア」という名前の列車もあったが……。
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オリンピックに合わせて運行した国鉄主な臨時列車は以下の通り。20本ある。
【こだま372号】~静岡(7:30)―東京(9:10)1・2等(全席指定)〈10/8~25〉
【準急「臨時たちばな」】~東京(14:17)―熱海(15:59)1・2等〈10/10~24(10/11・18除く)〉
【急行「オリンピア」】~東京(17:43)―熱海(19:17)1・2等(全席指定)・食堂車〈10/ 3~25〉
【準急「臨時東海」】~東京(23:10)―大垣(翌7:45)1・2等〈10/9~24〉
【急行】~東京(22:30)―下関(翌20:39)1・2等〈10/8~25〉
【急行「聖火」】~東京(9:18)―熊本(翌8:27)1・2等〈10/7~25〉
【急行「オリンピア」】~熱海(8:40)―東京(10:35)1・2等(全席指定)・食堂車〈10/3~25〉
【準急「臨時たちばな」】~熱海(17:20)―品川(19:08)1・2等〈10/10~24(10/11・18除く)〉
【準急「臨時東海」】~大垣(20:57)―東京(翌4:54)1・2等〈10/9~24〉
【急行】~下関(8:39)―東京(翌6:10)1・2等〈10/8~25〉
【急行「聖火」】~熊本(19:47)―東京(翌17:46)1・2等〈10/8~25〉
【準急「臨時かいじ」】~新宿(10:00)―甲府(13:15)2等〈10/5~24(休日を除く)〉
【普通】~甲府(15:08)―新宿(18:41)2等〈10/4~25〉
【準急】~東京(8:15)―日光(10:17)1・2等(全席指定)〈10/3~28(定期準急「日光」に併結)〉
【準急】~横浜(9:27)―日光(11:59)1・2等(全席指定)〈10/3~28〉
【準急「臨時日光」】~上野(12:44)―日光(15:15)1・2等(全席指定)〈10/3~11/4〉
【準急「臨時日光」】~日光(18:02)―上野(12:21)1・2等(全席指定)〈10/3~11/14〉
【準急】~日光(18:02)―横浜(21:18)1・2等(全席指定)〈10/3~28〉
【急行「いいで」】~上野(9:21)―福島(13:38)2等〈10/6~25〉
【急行「いいで」】~山形(13:17)―上野(19:49)2等〈10/6~25〉
「急行『オリンピア』は、151系こだま型特急電車を使用しています。151系は、国鉄で初めて電車特急向けに開発された車両で、1958年から、東京―大阪・神戸間を特急『こだま』として運行していました。1964年10月に東海道新幹線が開業したことで、新大阪発着などの山陽特急に転じた。このうち2編成に東京・田町の電車区に残されたのです」
と解説するのは、鉄道ジャーナリストの松本典久氏である。同氏は2月に、東京・札幌・長野の過去3回のオリンピックで交通インフラがどれだけ変化したかを解説した『オリンピックと鉄道』(交通新聞社新書)を出版した。
「『オリンピア』は12両編成で、食堂車もついていて、当時としては贅沢な作りでした。東京~熱海間を走らせたのは、五輪のために日本を訪れた外国人観光客を見込んだものでした」
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