【新型コロナ】海外メディアは東京五輪中止を想定 組織委事務局長を「子供じみている」と批判

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欧米の“信任”を失いつつある安倍首相

 欧米のメディアも、同じ内容の記事を報じた。20日にロイター通信は電子版で次のように伝えた。

「コロナウイルスの影響で2020年五輪の開催地を変更する必要があれば、ロンドンは対応が可能:ロンドン市長選の候補者が言及」(London can host 2020 Games if moved over coronavirus: mayor candidate)

 英語版のウィキペディアには、この記事に登場するロンドン市長選候補者のショーン・ベイリー氏(Shaun Bailey)の項目がある。

「ロンドンの政治家」と表記され、1971年生まれと書かれている。つまり年齢は48歳か49歳。ロンドン生まれで、最終学歴はロンドン・サウス・バンク大学という。

 当然、日本側は反論を行う。翌21日、日刊スポーツは「小池知事、東京五輪のロンドン代替案報道に不快感」との記事を配信。こちらもYAHOO!ニュースのトピックスに掲載された。

 不快感の理由について、記事を引用するまでもないだろう。むしろ、日刊スポーツの記事で重要と考えられるのは、海外メディアは「東京五輪の中止」について質問を集中させたという記述だ。

《外国の通信社からは、今後、感染拡大が収束しなかった場合、どのタイミングで東京2020大会の中止や延期を判断するのかという質問も出たが、小池氏は「大会を安全に開催するため、さまざまなリスクを考えながら、大会組織委員会やIOCと準備を重ねてきた。まずは、感染防止に徹底して取り組む。今お答えをする立場にはない」と、述べた》

 イギリスの高級紙で最多部数を誇るデイリー・テレグラフ紙の電子版は22日、次のような記事を配信した。

「ロンドンが五輪問題に介入し、開催地の変更もあり得るとの市長選候補者の発言に都知事は『不適切』」
(Tokyo governor: 'Inappropriate' for London mayoral candidate to say city could step in and host Olympic Games)

 前出のジャーナリストが解説する。

「他にはアメリカのFOXニュースも、ロンドンに変更する可能性と日本政府が貴重な時間をどんどん失っていると指摘する記事を報じていました。欧米メディアの記事を読みますと、文章のトーンが『東京五輪は中止』と想定したかのような書きっぷりになっているものは少なくありません。安倍総理は福島原発を『アンダーコントロール』であると断言して五輪開催を勝ち取りました。しかし世界は今、コロナウイルスを日本がコントロールできているとは思っていないようです」

週刊新潮WEB取材班

2020年2月25日掲載

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