72歳になった仮面ライダー2号「佐々木剛さん」 経営する居酒屋、再婚、天皇陛下を語る

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 両手を右に水平に伸ばし、弧を描くように頭上に掲げ、力を込めて引き下ろす。1971年、“真似ない子供はいない”と言われたほど社会現象となった、一文字隼人こと仮面ライダー2号の「変身ポーズ」である。演じたのは、佐々木剛(72)だ。あれから半世紀……。彼は現在、居酒屋を営んでいるという。東京・板橋区にある店で、ご本人から話を聞いた。

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 東武東上線の大山駅から、商店街を8分ほど歩くとその店はあった。居酒屋『バッタもん』。仮面ライダーはバッタと同じ能力を持つことからこの名前になったという。看板は店主のイラストが描かれ、佐々木剛の店とある。コアなファンでない限り、ここが仮面ライダー2号の店とはわからないだろう。地下1階にある店の中に入ると、仮面ライダー2号のグッズや原画、色紙などが所狭しと飾られていた。

「今年の2月2日、つまり令和2年2月2日に、熊本の『アニメ特撮BAR G』で仮面ライダー2号のイベントがありました。100人ほどファンが集まって、トークショーとサイン会。後はカラオケ大会になりました。熊本のファンは熱くてね、終電の時間を超えても、みな最後まで残っていました」

 と、佐々木さんが語る。時々見せる鋭い目つき以外は、一文字隼人を演じていた時の面影はない。

「この店は地下にあって、入り口が分かりづらい。これまで流行った店は一件もなかったそうですが、2の続く2月22日もファンから予約が入っています」

 店のオープンは、2012年5月。なぜ大山に?

「4年前に再婚した妻の家が近くにあったからです。ここから歩いて行けるからね。彼女とは20年前から、時代劇中心の劇団『ロストキッズ』で共演していました。居酒屋を始めたのは、自分の作った料理をお客さんに食べてもらって、ゆっくり話ができる場所を作りたかったからです」

 店は夫婦で切り盛りしているという。メニューを見ると、バッタもんらっきょ400円、だしまきたまご500円、牛肉エリンギ巻500円、辛肉豆腐700円、レバニラ炒め600円、ピッツア600円、ヤキソバ600円……。いずれもお手頃なお値段である。

「らっきょは、カレーに添えるものではなく、酒のアテになるようにと、10年くらいかけて作った自信作です。店でよく出るのは、だしまきたまご、レバニラ炒め、ヤキソバ、牛肉エリンギ巻などですね」

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