カジノ誘致反対「ハマのドン」新年スピーチに林文子横浜市長ら震撼

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 御用始めとなった今月6日。横浜市で横浜港運協会が開いた賀詞交換会は多くのメディアの注目を集めた。

 全国紙記者によれば、

「出席したのは自民党の小此木八郎衆院議員、黒岩祐治県知事、林文子横浜市長ら。会は、藤木幸夫会長の挨拶から始まりました」

 藤木氏といえば、押しも押されもせぬ“横浜のドン”。かねて横浜へのカジノ誘致反対で知られるが、

「藤木さんは、林市長らカジノを推進する面々を前に“今日はマル・バツの話はしない”とカジノにまつわるきな臭い話には触れないと表明。ところが、その直後には、自身が会長を務め、カジノ抜きのIRを提唱するハーバーリゾート協会の構想を話し始めたのです」

 我が目の黒い内はカジノなど作らせんとの藤木氏の決意表明を、林市長らは直立不動で聞いていたという。ただ、少し引きつって見えたその表情の裏には、これまでとは異なる事情も。

「カジノ推進派の背後には菅義偉官房長官がいますし、地元経済界も誘致には前向き。頑なに反対を続ける藤木さんは地元でも孤立し始めており、かつての威光に陰りが生じている」

 では何を恐れているのか。

「とにかく時間がないんですよ。カジノの運営企業が候補地に求めているのは、一にも二にも“土地の広さ”。ところが、藤木さんが反対を続ける限り、候補地の山下埠頭に用地を確保することはできず、すでに計画は遅れ始めている。このままでは、カジノ企業が愛想を尽かし、IR自体が東京へ持っていかれる可能性も十分にあるのです」

 14日には、野党の議員らがカジノ問題追及のため、横浜港運協会などを視察。藤木氏にとっては追風とも思えるが、

「藤木さんに逆らえば選挙に勝てないと言われてきましたが、藤木さんに気を使ってカジノ誘致に失敗すれば、地元経済界に見放され、それこそ政治生命を絶たれかねません」

 綱引きは続く。

週刊新潮 2020年1月23日号掲載

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