働き方改革の影響がここにも…年末年始にドラマ再放送連発のワケ

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 年末年始のテレビは、ドラマの再放送がなんと多かったことか。それはテレビ業界の“カースト制度”が崩壊した結果だという。

 年末年始のテレビ欄を見返すと、TBSは3年前の「逃げるは恥だが役に立つ」を昨年12月28日から2日間で、日本テレビは「3年A組―今から皆さんは、人質です―」を3日間でそれぞれ10時間以上放映していた。

 ドラマの再放送を連発する理由を、CM収入減少による制作費の削減と関連付ける分析も。が、本当は働き方改革が大きな原因だと指摘するのは、キー局で情報番組を担当するプロデューサーだ。

「昨年4月1日に働き方改革関連法が施行されて、テレビ業界は一変しました。これまで局のADや下請けの制作会社のヒラ社員は、何日も家に帰れないのが当たり前だった。が、働き方改革を受けて上層部から“社員の労働時間を厳守するように”とのお達しがあったのです」

 結果、“奴隷”と揶揄されていた社員ADは長時間の編集作業から解放されつつあるが、制作会社の社員がそれを代行しているのか。別の局のディレクターは、

「そんなことをしたら“下請けイジメのブラック企業”との烙印を押されかねません。社員ADや制作会社の社員が帰宅した後、我々のような管理職が徹夜で編集作業をする羽目になっています」

 かつて年末年始の深夜の定番だった名作映画も、

「その多くは、衛星放送などに放映権を奪われてしまい手持ちが多くない。そこで年末年始に社員の負担を軽減するため、ある程度の数字を残せそうな過去の高視聴率ドラマを“ディレクターズカット版”や“名作イッキ見”などと称して再放送しているわけです」(同)

 働き方改革で、今年の年末もドラマの再放送を見せられることになりそうだ。

週刊新潮 2020年1月16日号掲載

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