国会に乱入、議員へ暴行も…反文在寅の急先鋒「太極旗部隊」の正体

国際 韓国・北朝鮮 2020年1月15日掲載

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自由韓国党の支持率が回復した理由

 セヌリ党~自由韓国党の支持率急落は、そっくり保守派の退潮に重なっている。これをいかに回復させるか、言い換えれば朴槿恵が残したダメージをどうやって克服するかが、保守派が目指す最大のテーマとなった。

 その意味で2019年2月に就任した自由韓国党の黄教安代表は、文政権の失点に助けられているとはいえ、一見うまくやっているようだ。10~20%台をうろうろしていた同党の支持率は、曺国前法相のスキャンダルが与党を直撃した同年10月に34.4%を記録。今年1月の第1週は文大統領の与党・共に民主党41.8%に対し、自由韓国党は32.1%だ。

 支持率回復は黄代表の体制で党が安定したためともいわれるが、現地メディアでは異なる分析もある。それが「極右層」の取り込みだ。

 朴政権で国務総理を務めた公安検事出身の黄氏は、代表に選出された全党大会で「文在寅政府の 左派独裁が国と国民を大災害に突き落としている」と訴えた。大手紙「ハンギョレ」は、この大会を境に「それまで支持政党なしと答えていた極右性向の有権者が自由韓国党を支持し始めた」と伝えている。一方で自由韓国党は2017年からの2年間で実質的な党員の数が2倍に増えたといわれており、同じく「文化日報」はこれを極右層の流入とする見方を紹介した。

暴力沙汰も辞さない高齢者たち

 この極右層の代名詞が、「太極旗部隊」と呼ばれる人々だ。

 朴槿恵を巡る国政介入事件に際し、ソウル中心部ではその退陣を求める市民の大規模な集会が半年近くにわたり繰り広げられた。これが進歩派の「ろうそく集会」だ。一方で朴槿恵を支持する従来の保守団体も、弾劾に反対する集会を続けた。こちらは韓国の国旗=太極旗にちなみ、「太極旗集会」と呼ばれる。太極旗集会は政権が代わった後も、朴槿恵の釈放、文在寅の退陣などを求めるデモとして続けられてきた。

 こうした動きにともなって、太極旗を手に街頭へ繰り出している人々が太極旗部隊だ。その中核は、50代から70代の中高年~高齢者からなる。

 平和的な雰囲気が強調されるろうそく集会と対照的に、太極旗部隊は常に憤慨して殺気立っているイメージだ。彼らは進歩派を「アカ」と呼び、北朝鮮に盲従する「従北左派」と罵倒する。このような言説は韓国でも「時代遅れの色分け論」として眉をひそめられるが、意に介する気配はない。集会では敵視する団体関係者、あるいは単なる通行人にも言いがかりをつけ、暴言を吐くどころか暴力沙汰を起こすこともしばしばだ。

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