ユーチューバー頼みのバラエティが増加中 タメ口キャラの「フワちゃん」がNo.1注目株

エンタメ 芸能 2020年1月12日掲載

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木久扇もユーチューバー!?

 アメリカのビジネス誌「フォーブス(日本語電子版)」は昨年12月19日、「最も稼ぐユーチューバー 1・3位は8歳と5歳、年収20億円以上」の記事を掲載した。

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 同誌がまとめた「最も稼ぐユーチューバー」2019年版を紹介したものだ。記事によると、玩具レビュー動画を配信する「ライアンズ・ワールド(Ryan's World)」のライアン・カジくん(8)が年収2600万ドル(約28億円)で2年連続の1位に輝いた。

 これほどの額ではないにしても、日本人ユーチューバーもトップクラスは高額年収が話題となっている。ネットで検索してみると、複数の「収入ランキング」が表示される。

 閲覧してみると、はじめしゃちょー(26)やHIKAKIN(30)といった一般的にも知名度の高いユーチューバーだけでなく、7人組のフィッシャーズや、子供2人組のキッズラインといった面々も10億円に近い年収を得ていると書かれている。

 これほどの人気となると、当然ながらテレビ局も関心を示す。年末年始バラエティ番組がユーチューバーをゲスト出演させていたことに気づいた方もおられるだろう。テレビ担当記者が解説する。

「元日の午後3時から日本テレビ系列で放送された『お正月だよ!笑点大喜利まつり~木久扇 笑点50年記念3時間SP~』では、『ユーチューバーになりたい』という林家木久扇さん(82)がHIKAKINさんに弟子入りする場面が放送されました。その2時間前、やはり日テレは『今夜くらべてみました 元日から生放送3時間SP』をオンエア、レギュラー出演者の指原莉乃さん(27)が、羽田美智子さん(51)、紫吹淳さん(51)、若槻千夏さん(35)らと北関東を回るコーナーで、大食いユーチューバーとして知られるゆりもりさん(34)が出演しました」

 ちなみに、ゆりもりは石関友梨の名前で「元祖!大食い王決定戦」(テレビ東京系列)に出演した過去を持つ。「今夜くらべてみました」でも、群馬県内の“メガ盛り”で知られるつけ麺やソースカツ丼、パスタなどを豪快に平らげる姿が放送された。

「企画自体がユーチューバーに焦点を合わせた番組もありました。NHKは元日の午後11時から『NHKバーチャル紅白歌合戦』を放送しました。これは“VTuber”と呼ばれるバーチャルな歌手と、リアルな歌い手が紅白歌合戦を繰り広げました。他にも再放送でしたが、テレビ東京は元日の朝7時から『世界77億人に発信!内村のツボる動画大賞【1000万再生衝撃映像SP】』をオンエアしました。ユーチューブの人気動画を紹介、その“テレ東版”の動画制作にチャレンジするという内容で、著名なユーチューバーの作品も紹介されました」(同・記者)

 もちろん、他にも様々な番組が放送されたのは言うまでもない。

ユーチューバーの起用は「経費削減」

 年末年始のテレビ出演は少なかったようだが、今、テレビ業界ではフワちゃん(26)に大きな注目が集まっているという。民放キー局でバラエティ番組の制作に携わるスタッフが解説する。

「東洋大学を卒業し、ワタナベコメディスクールに入学。事務所と対立するなどして解雇されたのですが、インスタのセンスなどが業界で注目され、周囲の勧めでユーチューバーとしてデビューすると人気を集めました。厳密な意味でのユーチューバーではありません。ユーチューブで知名度を上げた芸人というところでしょうか」

 どぎつい色のスポーツブラにミニスカートやホットパンツという格好で登場、奇矯なトーンでテンション高く喋りまくる動画に人気が集まっている。

 昨年11月10日に放送された「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系列・日曜・21時00分)に出演すると、松本人志(56)にタメ口で話しかけ、散々イジりまくるという“暴挙”に及んだが、その分、反響は大きかった。

 複数のテレビ局関係者が「今年、フワちゃんは、もっと売れる」と太鼓判を押すが、さらにユーチューバーのテレビ出演も増加するのは間違いないという。

「率直に言って、ユーチューバーはギャラが安くても出演してくれます。自分の宣伝になるからです。共演する芸能人も動画に力を入れている人が多いので、カメラの回っていない時はPVを稼げる動画作成のコツなどを教えてもらっています。現場の雰囲気も良くなるので、スタッフにとってはいいことずくめなんです」(同・バラエティ番組スタッフ)

 ただし、別のテレビ関係者は「ユーチューバーがテレビで跋扈するのは、“テレビの終わりの始まり”だと思います」と自嘲する。

「本当に面白い芸人は、テレビに出る必要はありません。宣伝が必要なユーチューバーというのも、微妙な存在でしょう。今、テレビ局は、金もなければネタもありません。自分たちでゼロから番組を創る余裕もない。ユーチューバーに頼らざるを得ないというのが現状で、寂しい限りですよ」

 冒頭で紹介したフォーブス誌の記事に、次のような一節がある。記事を執筆した同誌のマデリーン・バーグ記者がユーチューブで人気を呼ぶ動画について痛烈に指摘した部分だ。

《ユーチューブには高尚なコンテンツも投稿されているが、そうした動画は高収入につながらない。今年のランキングでは、マインクラフトやフォートナイトといった人気ゲームのプレー動画を投稿するゲーマー5人が上位10位内に入った。2位のデュード・パーフェクトは30代の5人組が大人向けのおもちゃで遊ぶ動画を投稿。4位のレット&リンクは食べ物の試食動画などを投稿している》

 民放キー局の番組が「高尚」である必要はないかもしれないが、あまりに低レベルでは視聴者も失望してしまう。ユーチューブのレベルに番組が引っ張られてしまうようなことが起きれば、今年のテレビ界に期待を持つことは難しそうだ。

週刊新潮WEB取材班