「ミー」「ケイ」が明かす「ピンク・レディー」15年ぶり新曲事情

エンタメ

  • ブックマーク

Advertisement

「ペッパー警部」「UFO」そして「サウスポー」……。1970年代後半に大ヒット曲を連発したピンク・レディーのミーとケイは、間違いなく国民的アイドルだった。その後、解散と再結成を繰り返した2人が、実に15年ぶりとなる新曲を発表した。

 ***

 2人の新曲は、アニメ「妖怪ウォッチ」シリーズの劇場版で、2019年12月13日に公開された「映画 妖怪学園Y 猫はHEROになれるか」のテーマ曲「メテオ」。

 ミーから改名した未唯mie(61)によれば、

「製作総指揮の日野晃博(あきひろ)さんからオファーをいただいたのは19年の5月頃でした。『メテオ』の作詞作曲を手掛けたナユタン星人さんが、日野さんに私たちの起用を熱心に提案してくれたと聞いています」

 今回の仕掛人であるナユタン星人は、音声合成ソフトを使用した楽曲を動画サイトなどに投稿しているが、年齢や性別を一切公表していない謎のクリエーターだ。

 未唯が続ける。

「デモテープを聴くと、70年代のポップな感じでピンク・レディーにピッタリだと思いました。そこで管楽器などを加えてピンク・レディーのエキスを入れていただけるようにリクエストをし、新たに出来上がった楽曲を聴いてお引き受けすることにしたのです」

 一方、ケイこと増田惠子(62)も、

「最初に聴いた時に“これはピンク・レディーが歌う曲だ”と直感したのです。仮に未唯がオファーを断っても、私は歌いたいと思ったほどでした。ピンク・レディーらしさは、作詞家の阿久悠先生と作曲家の都倉俊一先生によるもの。阿久先生がお亡くなりになり、以前のような曲は出せないと思っていましたが、『メテオ』はお2人の曲と“同じ匂いがする”と感じました」

 日野氏のオファーから約1カ月半後、都内のスタジオでレコーディングが行われた。その際、増田が“ピンク・レディーとしてはこれが最後になるかもしれない”と発言したため、以前から囁かれていた不仲説が再燃したのだが――。

育ての親の死

 未唯がそれを打ち消す。

「レコーディングの日にケイと顔を合わせると、“今日はよろしく”って挨拶をして、収録前後には2人でいろいろ話しました。彼女とは、昔から性格も歌手としてのリズムの取り方も違う。その違いが力になり、ピンク・レディーの魅力になっていたのだと思います」

 増田も笑いながら、

「2人で歌うために出会って、ピンク・レディーになった。お互いに唯一無二の存在なんです。レコーディングの日に私が彼女へ“年齢も年齢だし、最後のレコーディングになるかもしれないから、お互いに心を一つにして頑張ろう”と声をかけました」

「スター誕生!」で2人をスカウトした“育ての親”T&Cミュージックの相馬一比古さんの死も影響しているという。増田いわく、

「相馬さんは約15年前に60歳でお亡くなりになった。私たちは彼が亡くなった年齢を超えているので、いつ何があるかわからないと考えて“最後になるかも”という意気込みで挑んだのです」

「メテオ」は動画再生サイトYouTubeでは、公開から10日間で再生回数が45万回を超えている。

「ピンク・レディーを知らない子供たちが聴いてくれるのは、素直にうれしいです。私たちを知っているおばあちゃん、お母さん、そしてお孫さんの3世代が一緒になって楽しんでもらえたら素敵だと思います」(同)

 未唯は、2020年1月にソロで「Pink Lady Night」を開催し、増田は年内にアルバムを出す予定だ。

週刊新潮 2020年1月2・9日号掲載

ワイド特集「窮鼠猫を噛む『女力』」より

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。