ボーナス額に不満な50代男性。少ないボーナスを預金するだけでいいのか考えた

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 ボーナスシーズン。年末の懐具合は温かいだろうか、それとも……。創立17年のお金の学校「ファイナンシャルアカデミー」(https://www.f-academy.jp/)の講師・山本麗子先生が2019年のボーナス事情について解説する。

 経団連発表の2019年末の賞与(妥結額)平均額は、96万4543円だった(集計可能な12業種82社)。今回集計した82社の前年の平均妥結額(95万384円)と比べて1万4159円増加し、1.49%のアップとなった。2年連続して過去最高額を更新したとしている。この数字、ピンときているだろうか。ちなみに調査対象は、原則として東証1部上場、従業員500人以上、主要21業種大手251社だ。

参考:2019年年末賞与・一時金の大手企業業種別妥結状況(加重平均)の第1回集計

ボーナスの額面と手取りはこんなに違う

読者代表:吉田正史さん(仮名・53歳)
新卒で入った中小企業で営業として勤続31年。高校生の長女と中学生の長男を育てる2児の父。年収は650万円で、マイホームは35歳の時に35年ローンで購入し絶賛返済中だ。目下の不安は退職後のお金のやりくりだが、お金に関する知識はやや不足気味なため投資には消極的。

山本先生:吉田さん、ボーナス出ました? たまには、ご馳走してくれてもいいんですよ?

吉田さん:いやいや、もう、全然ですよ。雀の涙ですよ。

山本先生:経団連の調査では、5年連続90万円台を記録し、今年は過去最高額だそうです。

吉田さん:え、過去最高? ほんとですか。全然実感ないですね、むしろ減ってますけど…。

山本先生:どのくらいもらったんですか? 教えて下さい!

吉田さん:うわ~ズバッときますね。うちは賞与は少ないんです、給料1カ月分ぐらいです。とほほ。いいなぁ一流企業の皆さんは! 100万円なんて超えちゃってるんでしょうね~。

山本先生:でも、ボーナスの額面が100万円を超えると、税金や社会保険料の割合が上がって手取りは約7割になってしまうんですよ。100万円以下ですと一般的にはボーナスの手取りは額面の8割程度ですから、仮に吉田さんのボーナスが50万円としても、手取りは40万円、これに扶養家族控除がある吉田さんはもう少しもらえますよね。一方、100万円もらっても手取り額は約70万円です。額面の差は50万円円だったとしても手取り額は30万円弱の差ですよ、ちょっとお得な気もしませんか。

吉田さん:全然お得な気がしませんが、慰めてくださってありがとうございます。

山本先生:吉田さん、ポジティブですよ、ポジティブ!

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