平野美宇を女子卓球五輪「3人目の代表」に推す関係者の事なかれ主義

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 卓球のワールドツアー・グランドファイナルが行われ、日本人2番手の石川佳純(26)、3番手の平野美宇(19)とも1回戦で中国人に敗れた。これによりシングルス代表は、既に代表を確実にしている伊藤美誠(19)に次いで石川が滑り込んだ。

 ただ、東京五輪にはもう1人出場できる。3人で共闘する団体戦要員だ。日本卓球協会関係者が語る。

「1人がシングルス2戦、残る2人がシングルスとダブルスを1戦ずつ戦います」

 準決勝までは体力温存など、いろいろなパターンが考えられそうだが、最大の懸案は決勝の仮想敵国、中国とどう戦うか。3人目の選考基準は、〈代表候補選手とダブルスが組め、団体戦でシングルス及びダブルスにて活躍が期待できる選手〉とされている。

「本気で金メダルを狙うなら、平野を外すしかない」

 と先の協会関係者。

「平野は今大会をみても中国人に勝てる見込みは低い。五輪出場、いや人生がかかる一戦で世界ランク18位の中国人に1-4であっさり負けているわけですから。ダブルスも凡庸で、とても中国には勝てない」

 そこで浮上しているのが、カットマンの佐藤瞳(22)。世界ランクは17位で日本人4番手だ。

「今大会でリオ五輪金メダリストの丁寧(29)を撃破。6月にも勝っています」

 また、早田ひな(19)を推す声も少なくない。

「左利きでダブルスの名手。伊藤とのペアでは世界一に輝いています。彼女は、シングルスでも今季中国人から10勝を挙げ、石川や平野より期待できる。惜しむらくは早田が日本人6番手だということ。3、4、5番手を差し置いては……」

 もし仮に、2番手に僅差で破れた平野を外せば、

「平野はスポーツ仲裁裁判所に訴え出るでしょう。世論も“不透明だ”などと批判する。内心、誰もが平野を外すべきだと思っていますけど、できないんです」

 結局“事なかれ主義”が一番強いということか。

週刊新潮 2019年12月26日号掲載

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