「グランメゾン東京」を支配する三大原則 もっとほかのキムタクが見たかった……

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みんなが応援するキムタク

 この手の邪推を邪推だと頭から追い払えない理由はもうひとつあって、それは「グランメゾン」にわかりやすい大悪人が出てこないこと。

 シェフ=キムタクに次から次へと難題が降りかかってきて、さてどう切り抜けるかが毎回の見どころ、っていう構図は、「半沢直樹」以来の「日曜劇場」の定石ではあリます。でも、銀行員の堺雅人には倍返しすべきクソ上司どもがあれこれいたのに、料理人のキムタクの前には敵としてわかりやすい大悪人が現れない。迫りくる難局の原因は単なる誤解だったり、みみっちい嫉妬だったり。

 まぁ、徹底した悪役なんてのは出しにくかったのかねぇ。キムタクを陥れたり復権の足を引っ張ったりする浅野支店長やら大和田常務やらみたいな仇役が登場してたら、ワタシみたいな視聴者は、SMAP消滅のときの悪役たちを重ね合わせちゃうもの。

 結果、「グランメゾン」世界を支配しているのは、

●キムタクがコケた理由は偶然や事故であり、さらには仲間を守ったこと。裏にビッグな悪人などいない
●キムタクの復活をサポートするのは、年かさのデキる女
●復活の邪魔をするのは、つまらない小物たちだけで、それ以外はみな応援してる

 ……という3大原則。

 このお題目、従来型キムタクビジネスの復調・存続を願う皆様にとっちゃすごく重要なのかもしれませんが、それを連ドラとして延々押し付けられる側から見りゃ身勝手すぎるし、生臭すぎる。日曜の夜の9時から毎週1時間、洗脳され続けるほどオトナは暇じゃありません。

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