桜を見る会に紛れ込んだ半グレに「4600万円詐欺」「傷害」「牛殺し」で逮捕の過去

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「原点に立ち返って」

「確かに、Aさんのことは存じ上げています。ただ、単なる知り合いに過ぎず、偶然、同じホテルだったというだけのこと。向こうが私を見かけて挨拶に来られたんです」

 と、先の狩俣総長は言う。

「私は妻との観光旅行で、そこに自分の若い衆を2人連れて行ったわけです。その2人は問題の写真にも写っています。私はAさんがいつまでシンガポールに滞在していたのかも知らないし、その時、Aさんと一緒にいたグループのどなたとも面識はありません」

 狩俣総長がA氏と知り合ったのは4年ほど前だった。

「彼が石垣島で新しく飲食店を経営するということを知り合いから聞いて、『大阪から来た社長さんです』と紹介された。以降、会えば挨拶をする程度の関係となったのです」

 と、狩俣総長。

「警察には、Aさんが旭琉會の企業舎弟なのではないかと勘繰る人もいるし、実際にそういう噂もあるようですが、全く違うと断言出来ます。企業舎弟というのは、稼いだお金の一部を暴力団組織に上納する企業体のことです。しかし、私も旭琉會もAさんからお金を受け取ったことなどたった一度もありません」

 では、A氏はなぜシンガポールにいたのか。

「今、警視庁から狙われている怪しい実業家がいるのですが、その人の招待だったと聞いています」

 と、A氏の知人。

「シンガポール在住のその実業家は今、仮想通貨に関する事業をやろうとしていて、飲食業を営む社長や半グレの連中を何回かに分けてシンガポールに招待したそうです。あの写真に写っているAさんのグループは皆、その人の招待ですね。ただし、費用は全てシンガポールのカジノ持ち。彼はカジノの上客ですからね。また、ホテルだけではなく彼の自宅でホームパーティーをすることもある」

 実際、さる飲食店経営者に聞くと、

「僕もその実業家にシンガポールに招待され、マリーナベイ・サンズにも行きました。問題の写真が撮られた現場にも居合わせましたよ。あー、怖そうな人たちがいるなって。異様な雰囲気だったので、そこにいた外国人たちがみんな距離を置いていました」

 そう証言するのだ。

「あの写真を撮ったのは、その時、顔がパンパンに腫れ上がっていた20代くらいの若い子です。なんでも、行きの飛行機のトイレでタバコを吸ったとのことで、Aさんから“飛行機が落ちたらどうするんじゃ!”と下駄でボコボコにされた。写真に写れるような顔ではなかったので撮影役になったんでしょうね」

 そんな“危険人物”が桜を見る会に紛れ込んでいたことについて、政治アナリストの伊藤惇夫氏は、

「ここまで規模が拡大すると、一人ひとり素性を確認するのは不可能。反社が混じっていてもおかしくない、というより反社が混じっていないほうがおかしい」

 として、こう語る。

「現場でのセキュリティチェックがほとんどなされていないことも驚きです。セキュリティチェックが機能していない以上、テロ行為があっても不思議ではありません。今後も桜を見る会を続けるのであれば、原点に立ち返って、参加者を5千人規模くらいまで縮小するのも一つの手です」

 いずれにせよ、しつこく国会で取り上げるような重大事案でないことは明らか。我々はいつまで不毛な攻防を見せつけられるのか。

週刊新潮 2019年12月12日号掲載

特集「今度は反社騒ぎの『桜を見る会』 渦中の『暴力団総長』が実名証言!」より

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