47歳「新庄剛志」が現役復帰宣言 NPBはそんなに甘くはない、現実的な選択肢は…

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 新庄剛志、ここに見参である。

 阪神や日本ハム、メジャーリーグで強烈なインパクトを残し2006年シーズン限りで現役引退。その後は芸能活動や実業家など、気分次第の「セカンドライフ」を送ってきた47歳が“現役復帰”を宣言した。

 新庄氏は11月中旬、自身のインスタグラムの動画で、「みんな夢はあるかい?」と問いかけ、 「1%の可能性があれば、必ずできる。今日からトレーニングを始めて、もう一回プロ野球選手になろうと思います」と宣言した。その後もトレーニングでの肉体改造中の写真を投稿。さらに、「無理に決まっている」と見解を示した、阪神時代の恩師、野村克也氏に対しては、「今度会ったら45分間説教」とやり返した。

 阪神時代の担当記者は言う。

「本気かどうかは正直、よくわからないです。トレーニングを再開したようですが、どこか“商業的なアピール”にも見える。実際、現在の新庄氏は経済的に厳しく、信頼していたビジネスパートナーに裏切られて、多額の金を損失したと報道されたこともありました。生活自体も以前のように派手にはいかない状況という話もありますね」

 商業的なアピールはさておき、“現役復帰宣言”にはどういう意図があるのかは、確かに読みにくい。阪神時代に2年間ともにプレーした経験を持つ、野球解説者・本西厚博氏は、新庄氏についてこう話す。

「現役時代の新庄氏は、今まで見た中で間違いなくトップクラスの外野手でしたね。身体能力だけでなく、判断力や決断力もすべて備えていました。なかでも、送球は捕球からの一連の動作にまったくムダがなくて、強さと正確性が抜群だった。試合前に一緒にノックを受けるのが嫌になるぐらいでしたまた、足も速かった。タイプとしては陸上選手で例えると中距離的というか、どんどん加速するタイプ。瞬発力が必要な盗塁は少なくても、二塁打や三塁打が多かったですね。決断力が優れていたので、紙一重の走塁が積極的にできるのが強みでした」

 現役時代の新庄氏を高く評価する本西氏だが、現役復帰についてはこう続ける。

「本当なら現役をもっと続けられる力があったから、引退して欲しくなかった。でも現実問題、NPBは一度、辞めた選手が戻れるほど甘くない。ただ、独立リーグなら可能性はあるのではないでしょうか。営業的にも欲しい球団はたくさんありますし。成功するかともかく、47歳という年齢で挑戦すること自体が素晴らしいと思います」

 独立リーグを取材するスポーツライターは「独立リーグのチームは新庄氏がのどから手が出るほど獲得したいのではないか」と指摘する。

「独立リーグの球団としては、過去のスター選手は大歓迎ですね。新庄氏が加入するだけで、広告塔としての影響力はかなり大きいです。昨年オフに阪神を自由契約となった西岡剛がBCリーグの栃木に加入しましたが、観客動員数を伸ばすことに大きな貢献しています。仮に新庄氏が独立リーグに入団すれば、球団としても願ったりかなったり……露出が増えますし、集客も見込めます。NPBを目指す若手選手にも大きな刺激を与えてくれるでしょう」

 プロ野球の観客動員数は増加傾向にあるものの、少子化の影響もあり、野球人口は年々低下している。そんななか、独立リーグは日本球界の裾野を広げるという重要な役割を果たしている。「これからは独立リーグです」。そんな声も本人から聞ければ、日本球界全体にとって大きな“財産”になりうるかもしれない。

週刊新潮WEB取材班

2019年12月9日掲載

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