桜を見る会騒動・メディア懇親会で安倍首相は泣き言、秘書官は「NHKの報道はひどい」

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弁明と懐柔

 こうした問題について連日、野党から追及されている安倍総理に「焦り」の気持ちがあることは間違いないだろう。総理在任期間が、明治の桂太郎を抜いて歴代最長となった11月20日、そんな安倍総理の現在の心情がよく分かる会合が催された。

「総理と、記者クラブに属する各メディアの官邸キャップの懇親会は年に2回行われています。今回は2日前になって急に開催が決まりました」(全国紙デスク)

 場所は平河町にある上海大飯店。各社のキャップは三つのテーブルに分かれて座り、安倍総理がテーブル間を移動しながら会話を交わす形式だった。無論、そこでは総理在任期間が歴代最長になったことも話題に上ったが、総理が最も長い時間を割いたのは、桜を見る会についてである。総理は弁明に終始しつつ、懐柔も。同席した今井尚哉総理秘書官兼補佐官から恫喝と受け取られかねない発言も飛び出した会の様子は、まだどこにも報じられていない。

「この問題、ワイドショーはまだやるのかな? 昭恵のことももうやったし、後援会の話も出たからもういいんじゃないのかね」

 会の最中、懐柔とも泣き言ともとれることを口にしたのは安倍総理。一方の今井秘書官はもっと露骨で、

「NHKの報道はひどい。だから同時配信はだめだと言われる。1万1千円以上じゃなきゃ出来ないとホテルが言ったのを最初に報じたのもNHK。総理番が毎日細かいことを質問する。細かいことまで総理が分かるわけがないのに、袈裟懸けみたいに質問する。あれ、キャップが聞かせているの?」

 と、あからさまに圧力をかけていたという。

 また、総理は桜を見る会の前夜祭の会費について、

「850人をウチの事務所が呼んだと言うけれど、食事に関して、ホテルは300人分くらいしか作らない。立食だからちゃんと食べる人は少ないからね。だから1人当たりの価格を下げられるわけ。けど、ホテル側の名誉にも関わるから、『ホテルの食事は300人分しかありません』とは答弁出来ないし」

 と、弁明。15年の前夜祭の会場と宿泊先が別だったことに関しては、次のように説明していた。

「ずっと全日空ホテルでやっていたが、15年は、会場が2部屋に分かれていることが直前に分かった。それではだめだと秘書が文句を言い、ちょうどニューオータニの営業マンが熱心に売り込んできたから変えた。だけど、宿泊先まで変えてしまうと全日空の担当者が処分されるかもしれない、と言うので、宿泊先はANAに残した。その後、全てニューオータニに移した、という流れです」

週刊新潮 2019年12月5日号掲載

特集「『神の水』でつながる 『安倍総理』と『ニューオータニ』のただならぬ関係」より

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