ディープインパクトの「子どもたち」が「種付け4千万円」でも勝てない理由

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「2世対決」

 ところが、血筋を引く子どもたちの結果は2着にカレンブーケドール、3着にワグネリアンが入ったものの、母親の次男という意味で名づけられたジナンボーが13着。優勝を逃す結果となってしまったのだ。

「今年のジャパンカップは国際GIにもかかわらず、高速化する東京競馬場の馬場を嫌って、外国の馬が参戦しない異例のレースとなりました。さらにディープ産駒も優勝できなかったとあって、寂しい大会になった印象です」(同)

 競馬ジャーナリストの片山良三氏は、瞬発力が奪われる重馬場を苦手としていたディープの特徴が勝負を分けたと解説する。

「ディープインパクトは武豊が“飛ぶように走る”と言ったように、最高速が速いため、良馬場に向いた馬でした。子どもは親の特徴を引き継いでいます。このジャパンカップは雨の影響で水分を含み馬場が荒れ、真価を発揮することができなかったのでしょう」

 ディープの子を抑えた優勝馬の父は、ハーツクライ。05年の有馬記念でディープを破り、唯一の黒星をつけたことで知られる。つまり「2世対決」だったわけだ。

 先の記者が再び、

「ハーツクライは重い馬場を得意としていました。奇しくも今回、その子も同様に悪い状態のレースを制したのです」

 歴史は繰り返す。強みも弱点も血統として受け継がれているのだ。

週刊新潮 2019年12月5日号掲載

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