金慶珠が日本で見つけた飲食店 美味しいNIPPON

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 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第16回は、金慶珠(キムキョンジュ)さん。今回は「麻布 韓日館」に伺いました!!

「韓国料理と日本料理は似て非なるものなんです。同じ白菜を使う漬物でも、韓国は足し算の文化でキムチを作り、日本は引き算の文化で浅漬けを作りますよね」

 と“講義”を始めるのは、東海大学教養学部国際学科教授で、コメンテーターとしても活躍する金慶珠さん。

 駐日韓国大使館が近いことから、大使館職員もよく訪れるという「麻布 韓日館」には、15年以上通っている。

「ちょっと贅沢したいときとか、仕事関係の人をお連れするときに使いますね。お肉はリーズナブルな割に、質はどこにも負けていないと思う。家庭料理も美味しいんです」

 そんな金さんの前にずらっと並んだのは、「特選肩芯ロースなど5種厳選部位+牛握り付き!上コース」の全14品だ。

「すごいご馳走! お肉もいいですが、この中だとキムチが一番ですね(笑)。キムチがないとご飯が食べられないくらい大好きなんです」

 金さんが東京大学大学院に留学していた1990年代半ばには、韓国料理店はおろか、キムチを始めとした韓国の食材や調味料を見つけるのも困難だった。韓国に帰るたびに塩辛を買い、日本に戻ってきた記憶があるという。

「それが今や簡単に買うことができるのは、2002年の日韓サッカーW杯が大きな契機となり、日韓の交流が一気に進んだからです。韓国の食文化が日本の中で急速に一般化しました」

 現在、韓国でも居酒屋やラーメンなど日本の料理文化が親しまれている。

「他国のことを知るには人と人との交流が一番。でもそれは中々できないから、その国の料理を食べるのが良い。それが文化を知るきっかけであり、交流への第一歩だと思うんです」

 交流がないと、知識が生まれない。そうなると、先入観で相手を見るから、差別や偏見につながってしまうと金さんは語る。

「だから、みんなで韓国料理食べましょう! ちょうどお肉も焼けましたね。サンチュにくるんで食べると絶品ですよ!」

週刊新潮 2019年11月21日号掲載

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