ラグビーW杯、オールブラックスの敗因に「SNSやりすぎ説」が浮上

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脳に疲労が蓄積

 注目度で群を抜くオールブラックスのメンバーは、W杯期間中もスポンサーのイベントに引っ張りダコ。ハンセン監督に至っては、キャンプ地の別府市の警察署で一日署長まで務めている。こうした過密スケジュールを問題視する声もあるが、

「SNSが南アとニュージーランドの明暗を分けた可能性はあると思います」

 と語るのは、おくむらメモリークリニックの奥村歩院長である。

「一流のアスリートは試合前に外部からの刺激を遮断して精神を統一します。一方で、SNSの利用は常に新たな刺激を取り入れる行為に他なりません。過剰な情報によって脳の前頭前野の機能がフリーズすると、処理能力が低下して、段取り良くパフォーマンスすることができなくなるのです」

 さらに、日本デジタルデトックス協会で講師を務める森下彰大氏も、

「休憩時間にSNSを閲覧していると、体は休めていても脳に疲労が蓄積して集中力が落ちてしまう。一瞬の判断が勝敗を分けるスポーツでは決して無視できない問題でしょう。加えて、チームワークへの悪影響も考えられます。特に、W杯のような代表チームによる短期決戦の場合、チームメイトとの親密なコミュニケーションが不可欠。SNSでのやり取りばかりに気を取られていればチームの連帯感も築けません」

「SNSが敗因」というのもあながち的外れな批判ではないようだ。常勝軍団は対戦相手よりも前に、SNSを封じるべきだった。

週刊新潮 2019年11月21日号掲載

ワイド特集「パレードと人生行路」より

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