映画「犬鳴村」で三吉彩花は呪われないか 実在する“旧犬鳴トンネル”はこんなに怖い

エンタメ 映画 2019年11月22日掲載

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 全国有数の心霊スポットとして有名な福岡県の「犬鳴(いぬなき)峠」をご存知だろうか。過去に凄惨な殺人事件が起きたことでも知られ、“最凶スポット”とまで言われている。来年2月、東映がこの地を舞台にした映画「犬鳴村」を公開する。監督がホラー映画第一人者の清水祟。主演は三吉彩花。彼女は臨床心理士役で、不可解な変死事件の謎を突き止めるため、犬鳴トンネルに向かう。地元では、「映画にしたら出演者は呪われるんじゃないか」なんて声も飛び交っているが……。

 犬鳴峠は、福岡県宮若市と同県糟屋郡久山町との境を跨ぐ。峠の北側に犬鳴山(583・6メートル)がある。

 犬鳴峠には、1949年に開通した犬鳴隧道(旧犬鳴トンネル)があるが、そのトンネルの近くに、「犬鳴村」があったとされ、数々の都市伝説が残っている。たとえば、ネット上では、

〈犬鳴村は法治が及ばない恐ろしい集落で、そこに立ち入った者は生きて戻れない〉

〈村の入り口に「この先、日本国憲法は適用しません」という看板がある〉

〈江戸時代以前より、激しい差別を受けてきたため、村人は外部との交流を一切拒み、自給自足の生活をしている。近親交配が続いているとされる場合もある〉

〈旧道の犬鳴トンネルには柵があり、乗り越えたところに紐と缶の仕掛けが施されていて、引っ掛かると大きな音が鳴り、斧を持った村人が駆けつける。「村人は異常に足が速い」〉

 もちろん、これらは単なる都市伝説にすぎない。

 犬鳴は、正確に言うと、江戸時代中期に福岡藩庁が城下、地行町(じぎょうまち)に住んでいた足軽を移住させてできた集落だ。激しい差別を受けたという事実もない。ではなぜ、この地が心霊スポットになったのか。

「1975年に新犬鳴トンネルが開通して以降、日中でも薄暗く人家もない旧犬鳴トンネルは、格好の肝試しの場所となったのです。旧犬鳴トンネル近くにはホームレスが小屋を建てて住んでいましたから、それが幽霊に見えたのではないでしょうか」(地元の住民)

 ところが、1988年12月に殺人事件が起こり、犬鳴峠の名が全国的に知られるようになる。

 犬鳴峠で田川郡方城町の工員・梅山光一さん(20)が焼死体で発見されたのは12月7日。梅山さん宅の近くに住む主犯の行商手伝い(19当時)ら少年グループ5人(16~19当時)が逮捕された。その前日、軽乗用車に乗って信号待ちをしていた梅山さんに、少年らが「車を貸してくれ」と頼んだが断られたため、梅山さんを殴って車を奪い、仲間の家に連れ込み監禁した。

 少年らは、このままでは監禁したことがバレるため、梅山さんの殺害を計画した。

 7日午前4時半頃、同県京都郡苅田町の苅田港に行き、30分に渡って暴行したあと岸壁から落とそうとしたが、が来たため断念。少年らは、今度は焼き殺すことを計画。田川市内のガソリンスタンドでガソリンを購入して犬鳴峠に向かった。旧犬鳴トンネルに着き、トンネル内で焼き殺そうとしたが、梅山さんの悲鳴がトンネル内で大きく響いたため、トンネルから150メートル離れた路上で、泣き叫ぶ梅山さんの口に破った服をねじ込み、手足を縛って石で頭を何度も殴りつけ、命乞いする梅山さんにガソリンをかけ、火を放ったという。犯行はあまりにも残酷だとして、主犯の少年には、無期懲役が言い渡された。

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