ライバルは星野源と菅田将暉!? 映画「決算!忠臣蔵」で時代劇初挑戦 岡村隆史の「野望」と「トラウマ」

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「星野源」「菅田将暉」は辞退せよ!

――偶然、同じそろばんの先生に指導を受けていたのが、8月に公開された映画「引っ越し大名!」に主演した星野源さんだった。

岡村 星野さんは、僕にとっては特別なライバルなんですよ。日本アカデミー賞には、唯一、一般人の投票で決まる「話題賞」という賞があります。「オールナイトニッポン」木曜日のパーソナリティをやっていることもあって、ラジオリスナーのみなさんの投票つまり「組織票」で、僕はこれまで2000年の「無問題」と2011年の「てぃだかんかん」で2回話題賞を取ることができました。ところが、今年は同じく「オールナイトニッポン」火曜日のパーソナリティをやっている星野さんに票を持っていかれるんじゃないか心配なんです。その時期が来たら、星野さんに直々に「話題賞は辞退してほしい」と言うつもりです(笑)。月曜日担当の菅田将暉君も映画「アルキメデスの大戦」に主演してるから、彼にも辞退するように言わないと。

――冗談めかしながらも岡村さんが「話題賞」にこだわるのには、理由があった。

岡村 主演した「無問題」が2000年の日本アカデミー賞で話題賞をいただいた時、授賞式でどんな俳優になりたいかと聞かれたので「将来は高倉健さんのような立派な俳優になりたいです」と答えたら、会場がザワッとなった。チンピラ芸人が高倉健さんをイジるなんてありえない、という剣呑な空気が流れました。でも受賞者の一人として会場にいた高倉さんは立ち上がって、拍手をしてくれたんです。その時、初めて話をさせてもらいましたが、「見てますよ。いつか仕事をしましょうね」と言ってくださった。高倉さんの最後の主演作「あなたへ」で、その夢が叶いました。

 最悪だったのは、2011年の2度目の話題賞の時です。スタンバイできていない準備不足の状態で急に呼ばれて、スタッフのこととか話したようなんですが、何を話したんだか全く覚えていない。最後を「はなはな簡単ながら、うれしい言葉とさせていただきます」と変な挨拶で締めくくったら、会場は失笑に包まれた。クスクス笑いがいつまでも続いてました。もちろん、その場に行けること自体が素晴らしいことですが、今回はピシっとスピーチを決めてリベンジを果たしたいんです。そのためにも、星野さんと菅田さんを何とか撃破しないとね。

 果たして、そろばん侍は、引っ越し奉行や天才数学者を打ち負かすことができるか?

【原作情報】
原作は、大石が遺した実在の決算書「預置候金銀請払帳」から「忠臣蔵」の裏側に迫った山本博文さんの『「忠臣蔵」の決算書』(新潮新書刊)。脚本も手がけた中村監督自身による映画のノベライズ本も、新潮文庫から刊行されている。

2019年11月21日掲載

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