夕方ニュース戦争 カトパン「Live News it!」をホラン千秋「Nスタ」が警戒する理由

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なぜ主婦が“カトパン”を?

「『NEWSポストセブン』は10月23日に番組最高の視聴率7・5%を記録したことを取り上げていましたが、即位の礼が行われた10月22日も『バイキング』(平日・11:55)、『直撃LIVE グッディ!』(同・13:45)と3番組合同の特番を組んで7・1%でした。もともとフジテレビの皇室報道はファンが多いことで知られています。その効果もあったのでしょうが、私たちは冬場に起きるHUTの上昇分が、カトパンの『Live News it!』に流れていると分析しています」

 ここでHUTという専門用語が出てきた。英語の「households using television」を略したもので、「テレビを見ている世帯」が直訳だ。

 正確に定義すれば「今オンエアされているテレビ番組を、テレビで見ている世帯視聴率」となる。パソコンでテレビを見ていたり、テレビでも録画分を視聴していたりすると、HUTにはカウントされない。

 つまり「寒くなると家でテレビを見る人が増え、その人たちは『Live News it!』の加藤綾子を選ぶことが多い」というわけだ。「まるで『風が吹けば桶屋が儲かる』じゃないか」と分析を疑問視する向きも少なくないだろう。だが、先のTBS関係者は「推測でも何でもなく、厳然たる事実です」と動じない。

「冬場の視聴率を動かすのは、30代から40代の主婦層。保育園児や幼稚園児から高校生くらいまでの子供を持つお母さんです。彼女たちは夏場の午後5時は明るいため、習い事や買い物のため外出しています。ところが冬場は、日が暮れてくるので用事は早めに片付け、午後5時には家で子供や夫のために夕食の準備をします。その時にテレビの電源を入れるわけです」

 では逆に、春夏秋冬、365日、必ず午後5時のニュースを見る層といえば、「65歳以上の男女」だという。広告業界では「M3」(50歳以上の男性)や「F3」(50歳以上の女性)に分類される世代だ。

「この世代は視聴習慣が固定化しており、なかなかチャンネルを変えないという特徴があります。テレ朝の『スーパーJチャンネル』が得意とする層で、夕方から始まるドラマ『相棒』の再放送や、正午から始まる『徹子の部屋』からずっとテレ朝を見ているわけです」(同・TBS関係者)

 もちろん視聴率トップの日テレ「news every.」も、TBSの「Nスタ」でも、「65歳以上の男女」という“常連客”に支えられている。ただ、この両番組は「スーパーJチャンネル」より若い視聴者層も取り込み、それを強みとして日々のニュース戦争を戦っている。番組の雰囲気からも頷ける指摘だ。

 しかし、だからこそ大きな疑問が残る。なぜ「夏は夕方のテレビを見ない」という30代から40代の主婦層は、冬になると“カトパンのフジ”を選ぶのだろうか。

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