楽天「美馬学」に巨人が3年5億円を提示? ファンからは実績不足と右腕失敗論

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巨人FAの右腕は失敗ばかり?

 報道が盛り上がると、ネット上の反応も活況を呈する。従来からSNSなどでは“巨人金満主義”の象徴として、FAで貪欲に戦力補強する姿勢に違和感を表明する書き込みが多かった。しかしながら今年は、いつもとは違う傾向も見られるという。

「Twitterでは巨人ファンであっても『FAはリスクも少なくなく、自前の選手を育てるべき』と訴えるツイートは決して少なくありません。今年もそういう意見もありますが、もう1つ別に、『美馬に何億円も投資する必要があるのか』という指摘も目立っています。例えば、同じ楽天の則本昂大投手(28)は、FA権を行使して残留を宣言しました。今季の則本投手は右肘を手術し、初登板は7月。それでも12試合に登板して5勝5敗、通算成績は80勝63敗です。先に見たとおり、美馬投手は51勝60敗ですから、少なくとも数字の上で見劣りするのは確かです」(同・記者)

 年俸も則本と美馬では大きな開きがある。7月にスポーツ各紙が「3月に楽天と則本が7年数十億の契約を新たに結んでいた」と報道。メジャーや他球団への移籍封じが背景と見られている。

 美馬の実力だけでなく、“運”の要素も取り沙汰されている。巨人ファンにとって恐ろしいのは、「巨人がFAで獲得した右腕は、少なくとも初のシーズンは成績が低迷することが多い」というジンクスの存在だ。表を作ったのでご覧いただきたい。まずは左腕からだ。

 ただ左腕であっても、全員が成功を収めたわけではない。表の8人のうち、文句なしの大活躍を示したのは工藤公康(56)、前田幸長(49)、杉内俊哉(39)の3人に過ぎない。そして前球団での実績と照らし合わせれば、川口和久(60)、野口茂樹(45)、森福允彦(33)の3人は――川口は96年にリリーフで輝きを放ったとはいえ――失敗と言わざるを得ないだろう。

 大成功を収めた確率も、大失敗に終わった確率も、共に「3÷8」で導き出される37・5%という数字になる。このあたりが、「FAは博打」と言われる理由に違いない。

 確かに右腕5人で、「◎」どころか「○」がついた選手さえ1人もいない。繰り返しになるが、これは1年目の成果だ。

 サンスポ(電子版)は9月22日、「【FA加入右腕対談】巨人・大竹『背水の陣…必死にやった結果』」と題し、大竹寛(36)と山口俊(32)の対談記事を掲載した。今シーズン、前者はリリーフとして復活を果たし、後者は15勝を挙げ、共に貢献を果たし、チームをリーグ優勝に導いた。とはいえ、共に1年目は散々たるシーズンだったことは表の通りだ。

 それでは最後に野球ファンの声として、YAHOO!ニュースのコメント欄で「そう思う」が多い2つの指摘をご紹介しよう。

《巨人ファンだけど美馬はヤクルトが一番いいと思う。ヤクルトだとローテで回れるだろうし、もしかしたらエースのように扱われる可能性もある。逆に巨人だと最初は菅野山口に次ぐ存在みたいに言われるかもしれないが打たれると中継ぎ、2軍、優勝を逃すと戦犯 美馬には野上を見てもらい判断してもらえばいいかと》
(「FA美馬にヤクルト『自宅から通える』環境面を訴え」日刊スポーツ11月5日)

《美馬に条件を上積みしたが、人的保証プラス金銭を支払ってまで獲るほどのピッチャーではないと思う。FA選手を手当たり次第獲る、この巨人の毎年恒例の風習 なんとかして貰いたい。年齢33歳 セ・リーグは新天地 重圧の巨人 と活躍できるとは思えない。FA補強は反対ではないが、どうせ獲るなら超一流か一流のみにして欲しいな。美馬を獲るより、もっと生え抜きの若手有望株に目を向けて貰いたい!》
(「巨人、FA美馬と2度目交渉 『環境面の話』セの魅力説明か」スポニチアネックス11月7日)

 しばらく巨人ファンの間では、美馬を巡る議論が続きそうだ。

週刊新潮WEB取材班

2019年11月12日掲載

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