菅原一秀、小渕優子はアウトなのに…茂木敏充外相に学ぶ「法律違反の逃れ方」

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ポイントは“氏名の類推”

 確かに、公選法199条の3には、“氏名を表示し又はこれらの者の氏名が類推されるような方法で寄附をしてはならない”と記載されている。茂木大臣が錦の御旗としたのは、この“氏名を類推させるかどうか”というポイントだった。もっとも、これは難解な点で、裏返せば、“氏名を類推させない”ことを明示して配らなければならないということでもある。すなわち、“茂木先生とは何の関係もありません”“あくまでも党の支部としての活動です”と言って回る必要があるわけだ。茂木大臣の秘書が、“茂木先生と関係ない”と言いながら線香を配って、類推するなという方がおかしくはないか。

 政治資金問題に明るい神戸学院大の上脇博之教授は、

「199条の3の規定をもって、配布物自体に氏名が記載されていなければ、どのような形でも寄付をしていいのだと解釈するのは誤りです。選挙区内の有権者が、秘書の個人名を知らず、“茂木先生の秘書さんから頂いた”としか認識していないなら、それは茂木氏の氏名が類推されるような方法で寄付を行ったものと評価することができるわけですから」

 事実、かつて本誌が茂木大臣の地元に分け入った際、手帖をもらっている支援者とこんなやり取りがあった。

記者 この辺を担当している秘書さんの名前は?

有権者 名前は……わすれちゃったなあ。

 これは、上脇氏が指摘する“秘書の個人名を知らず~”をそっくりなぞるものだ。

(2)へつづく

週刊新潮 2019年11月7日号掲載

特集「自称総理候補『茂木敏充外相』に学ぶ『法律違反』の逃れ方」より

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