菅原一秀、小渕優子はアウトなのに…茂木敏充外相に学ぶ「法律違反の逃れ方」

政治 週刊新潮 2019年11月7日号掲載

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「茂木敏充」外相に学ぶ法律違反の逃れ方(1/2)

 疑惑報道の渦中にあった菅原一秀経産相があっけなく辞任。同じ経産相だった小渕優子女史も本誌(「週刊新潮」)報道を機にスピード辞任している。他方、手帖、線香、香典3点セットを渡しても「買収」摘発をすり抜けたのが、自称総理候補・茂木敏充外相。法律違反の逃れ方を学ぼう。

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 去る10月26日のラグビーW杯準決勝。ニュージーランド(世界ランク1位※当時)対イングランド(同2位)の試合は事実上の決勝戦とも、それぞれのユニフォームに因んで「白黒はっきりさせる」一戦とも言われた。

 奇しくもその前日の25日、永田町でも、疑惑の渦中にあった菅原一秀経産相が辞任、白黒はっきりついた恰好となった。

 菅原氏は大臣就任以降、選挙区がある東京・練馬の有権者にメロンなどを配っていたことが報じられた。これは2006~07年のことで、菅原氏の大臣就任に一役も二役も買った菅義偉官房長官も、「10年以上も前のことでしょ」と意に介さぬ風だった。永田町の常識は世間の非常識などと言われるが、「みんなやってること。10年前は不問でしょ」というのが定説だった。

 その雲行きが怪しくなったのは週刊文春による10月24日の報道からだ。同17日、菅原大臣の支援者の通夜に、大臣の代理として公設第1秘書が2万円の香典を携え、参列したのだ。疑惑が取りざたされるこのタイミングでなぜ⁉という疑問もさることながら、秘書が香典を差し出すまさにその場面まで、あろうことか写真に納まっていた。やんぬるかなというわけで、“菅原号”は〈目的地=スピード辞任〉のレールをひた走ることとなった。ちなみに、政治家本人が香典を持って出向く場合は法的に問題はない。

 そこで改めて頭をよぎるのは、じゃあどうしてあの大臣はセーフで、また別の大臣はアウトだったのかという点だ。

 アウトは14年秋に露見した小渕優子経産相=当時=で、セーフが17年夏以降報じられた自称総理候補こと茂木敏充経済再生相=同=(現在は本人の熱烈な希望で外相を務める)のケースである。いずれも本誌報道が発端となったもので、その疑惑の中身をざっとおさらいしておこう。まず、【小渕大臣の場合】から。

▼例年、選挙区である群馬5区の有権者向けに東京・日本橋「明治座」を借り切って観劇会が行われる。これは「小渕優子後援会」の女性部の主催で、政治資金収支報告書上、その収支が全く合わなかった

▼参加者から集めた費用よりも小渕氏側が劇場に支払った額が毎年1300万円ほど多い。有権者の買収、あるいは報告書の虚偽記載などと見做しうる

▼同様に、東京ドームでの巨人戦観戦もどうしたことか“政治活動”として行っており、参加者から集めた額より小渕氏側の支出の方が大きかった

▼小渕氏の写真をラベルにあしらった「赤白のワイン」、「ネクタイ」に「鉢植えの蘭」を地元選挙区内の有権者に贈呈した。いずれも有権者への寄付を禁じる公職選挙法に抵触する可能性がある

 本誌報道から僅か4日後、小渕氏は大臣の職を辞することとなった。政治部デスクが当時を振り返って、

「週刊新潮の報道当初、安倍さん(晋三首相)は静観する構えだったのですが、松島さん(みどり法相=当時=)が選挙区内の有権者にうちわを配布していた事実も明らかになったばかりでした。新聞・テレビで連日連夜、さかんに小渕さんの問題が報じられ、野党も委員会などで対決姿勢を強めていきました。最終的には安倍さんが“このままでは世論が持たない”と判断し、小渕、松島にセットで辞表を提出させ、“寄付問題”の幕引きを図ったわけです」

 小渕氏だけならもう少し“抵抗”を続けたかもしれない……そんな風に付け加えるのだった。

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