台風19号「風評」でキャンセル続出…今こそあえての「被災地観光」のすすめ

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 台風19号が過ぎ去ってもなお被災地を襲うのは自粛の嵐だ。直接のダメージを免れた観光地でも、ホテルや旅館ではキャンセル客が続出。絶賛営業中なのに、あらぬ“風評”に苦しんでいるという。だからこそ声を大にして言いたい。今こそ「被災地観光」のススメ!

 紅葉前線は北海道から南下を続け、まもなく被災した各県へと到達する。錦に染まった山々を眺めながら湯に浸かるのは秋ならではの旅の醍醐味だ。

 迎える宿も書き入れ時なのに、被災地というだけで“自粛”される「二次被害」に悩まされている。

「すでに月末まで200組、500人以上のキャンセルが入っております」

 と嘆くのは、長野県上田市の別所温泉 観音様となりの宿 かしわや本店の山内寿男社長である。

「この時期は、お一人あたり2万7千円ほど頂いていますので、この規模のキャンセルですから単純計算で約1400万円もの損害でございます。繁忙期に重なったこともあって損害額が大きくなっております」

 台風では、北陸新幹線の上田駅と別所温泉駅を結ぶ上田電鉄別所線が被災した。千曲川に架かる赤い鉄橋が増水で一部崩落し、その光景は新聞・テレビで盛んに取り上げられた。けれど、実際は新幹線も10月25日には全線復旧した。

 山内社長はこうも言う。

「旅館自体、大きな被害は出ておらず通常営業を続けていますが、用意していた旬の松茸の中でも、特に高級なものを使った焼き松茸を振る舞えなくなったのが痛手です。そこで、本来は松茸尽くしのコースでお出ししているものを、通常プランのお客様のご飯に混ぜ込んだり、土瓶蒸しに入れてご提供しております」

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