「友情支援」をぶっ壊す!?(KAZUYA)

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 現埼玉県知事の大野元裕氏が参議院議員を辞職したことに伴う補選が現在行われています(10月27日投開票)。

 本来、この参院埼玉補選は全国的には注目されることもなく、ひっそりと終わるはずでした。何しろ無所属で出馬する前埼玉県知事の上田清司氏のみの出馬で対抗馬がいなかったからです。立憲民主、国民民主が友情支援(なんじゃそりゃ)、共産、社民は自主投票で与党は候補者擁立を断念するほどですから、ガチガチに固いということでしょう。上田氏は憲法改正に前向きだということですが、野党の人々はそれでも良いのか謎です。

 上田氏は異例の相乗り候補となりました。しかし国会議員を選ぶ選挙なのに、選択肢がないこと自体が異常です。が、異常な事態を上書きするほどの、さらなる異常が存在します。それこそNHKから国民を守る党です。

「NHKをぶっ壊す」を合言葉に7月の参院選で比例当選を果たしたばかりの立花孝志党首が、なんとこの補選に出馬するというのです。

 7月に任期6年の職を得たのに、それを蹴って残り任期3年の補選に出馬するとは、全く常識から外れています。まさに理外の発想。しかし常識から外れているからこそ注目を集めるのであり、批判もありながら知名度はどんどん上がっていくというのを考えると、N国の戦略は大いにアリなのでしょう。

 しかも立花氏が議員を辞めても、同党比例の次点候補が繰り上げ当選になるだけなのでN国としては議席のマイナスになりません。もし補選で勝利すると議席がプラス1になり、負けても次期衆院選へ向けた売名になります。

 法の盲点を突いた、一種の抜け穴的戦術と言えますが、そもそもそんな戦術を取る政治家こそ稀でしょう。ネットの反応を見ると、賛否両論あります。しかし個人的には上手いやり方だと思います(善悪の判断を別にしてですが)。

 N国が暴れれば暴れるほど、悪評も高まっていきます。これは紛れもない事実でしょう。しかし選挙においては、いくらアンチが増えようとも、「マイナス1票」にはなりません。アンチも増やしつつ、知名度を上げることが支持者を地道に獲得する手段であるというのも理解できます。

 10月10日の告示を迎え、両陣営の第一声を聞くため、浦和駅前まで行ってきました。上田陣営も立花陣営も盛り上がる中、僕の動画の視聴者から声をかけていただきました。その男性は立花氏の応援のため、八王子(埼玉県外)から来たと言います。

 YouTubeで立花氏を知って応援し、彼曰く「おっさんが地下アイドルを追っかける感覚」だそうです。めちゃくちゃな立花氏ですが期待感の大きさも窺えます。

 僕は度々自分の動画でN国に言及しているためか、「あっ! YouTubeいつも見てますよ○○さん!」と他の方からも声をかけていただきました。ありがたいんだけど、それ、僕じゃなくて顔が似ていると言われる別のYouTuberなんですよ……。

 ううう、もっと頑張ろう。

KAZUYA
1988年生まれ、北海道出身。12年、YouTubeで「KAZUYA Channel」を開設し、政治や安全保障に関する話題をほぼ毎日投稿。チャンネル登録者68万人、総視聴数は1億4千万回を超える。近著に『日本人が知っておくべき「日本国憲法」の話』(KKベストセラーズ)

週刊新潮 2019年10月24日号掲載

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