文在寅が目論む朴槿恵釈放 司法を正すと叫びながら「犯罪者」を釈放という都合の良さ

国際 韓国・北朝鮮

  • ブックマーク

Advertisement

選挙のためなら何でも

 権力闘争が激しい韓国では、選挙もまさに命懸けで、

「仮に総選挙で与党が負ければ、国会は空転し、文政権のレームダック化は避けられません。さらに、3分の2以上の議席を野党が確保すれば、弾劾訴追される可能性も」(同)

 まさに窮地に追い込まれた格好の文大統領だが、目下、囁かれるのは、とある奇策だという。

 地元メディアの記者曰く、

「3年前に大統領の椅子から引き摺り下ろされた朴槿恵前大統領を釈放しようとする動きがあるのです」

 一見、敵に塩を送るようにも見えるが、

「韓国の保守層は朴さんが失脚した際、弾劾に賛成した朴槿恵不支持派と、反対した支持派に分裂してしまった。このたびのスキャンダルで保守が再び一枚岩になっては文政権に勝ち目はありませんが、朴さんを釈放すれば、彼女の扱いを巡って保守は確実に分裂を起こすとみられているのです」

 これについては、韓国の国内情勢に詳しい龍谷大学の李相哲教授も、

「現在、朴前大統領の裁判は最高裁で差し戻しとなり、刑が確定していない状況。従って大統領の特別赦免の対象にはなりませんが……」

 と前置きをしたうえで、

「朴前大統領の釈放が以前から囁かれていたのは事実です。文大統領は選挙のためなら何でもやる政治家。朴さんを巡る保守の対立は根深く、釈放によって保守が分裂すると判断すれば、どのような理屈を作り出してでも、釈放をやってのけるでしょう」

 司法を正すと叫びながら、“犯罪者”を釈放しようという都合のよさだが、先の地元記者によれば、

「実は9月末に中央日報など2紙がそれぞれ世論調査を行った結果、大統領の支持率は30%台という惨憺たるものだった。ところが不思議なことに、この調査結果は報道されず、闇に葬られようとしたのです。政権側の圧力は明白で、文大統領の前には、メディアも正常に機能しない」

 政敵の身柄など、どうとでも扱えるということか。

週刊新潮 2019年10月24日号掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。