日本共産党が天皇陛下「即位の儀」を欠席 秋篠宮殿下から影響を受けたのか

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革命政党の存在意義がなくなった

「秋篠宮は、宗教色が強い天皇の即位の儀は国費で賄うことが適当かどうか。私的行事でやるべきだと発言したとされています。共産党はその影響を受けているのかもしれません」

 と分析するのは、政治評論家で元共産党政策委員長の筆坂秀世氏である。

「共産党は、憲法を厳格に守ろうという理屈から、即位礼正殿の儀は、政教分離の原則になじまないと説明しています。天皇制を受け入れていながら、即位の儀に欠席というのは、国民から見ると分かりにくいと言わざるを得ません。即位の儀は、日本の伝統行事、伝統文化と見なすべきです。変に理屈をこねて欠席するなんて、時代錯誤ですよ。今や共産党は天皇制を99・9%受け入れているんだから、妥協する必要があります」

 共産党は言うまでもなく、筋金入りの“護憲派”として知られているが、

「もともとは、憲法改正派だったのです。占領軍が作った憲法なんて認められないという立場でした。憲法の出自から否定していたのです。そして天皇制打倒という立場だった。それが今や180度ひっくり返ったわけですよ。体制に流されて、政策を変換せざるを得なかった。自民党が2012年に憲法9条の改正を主張したとき、共産党は、平和護憲政党として何年にもわたって活動していた。その過程で共産党の党員になった人は、憲法9条を“世界の宝”だと思っています。そういう人たちは、昔、共産党が改憲派だったことなど知りません。そのことを指摘すると、『うそだ、デマだ』と言い出す共産党員もいます。国会議員の中には、“共産党宣言”を読んだことがない人もいるくらいです。それくらい今の党員は、歴史を知らない人が多いのです」

 共産党は迷走しているということか。

「共産党員の中では、共産主義社会を実現しようなんて考えている人は、今や1人もいません。そんなことは無理だとわかっているからです。革命政党は平和と人権を唱えたものですが、平和は維持されているし、人権だって、日本は北朝鮮とか中国、アジア諸国などと比べると、ずっと尊重されています。かつての共産党が目指したものはすでに実現されているので、存在意義が失われているということです」

 だったら、つべこべ言わずに「即位の儀」に出席したほうが良さそうな……。

週刊新潮WEB取材班

2019年10月21日掲載

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