即位の礼で20年ぶりの厳戒警備体制 過去の大イベントは

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「ゴルバチョフ」は護衛対象で「オバマ」「トランプ」は違う

 警視庁が威信をかけて設置する「最高警備本部」は、皇室の行事やサミットに限らず、1段階下の「総合警備本部」ともども、要人の来日においても設置されるケースがある。

「基本的には米ロの2大国の大統領来日に際して立ち上げられるのですが、その扱いについては、時代や社会情勢を勘案して“差”が生じることがあります」

 とは、さる警視庁関係者。

「例えば、1991年4月にソ連(当時)の元首として初めて来日したゴルバチョフ大統領。この時、警視庁は2万2千人態勢で最高警備本部を設置しています」

 当時、ペレストロイカでゴルバチョフは西側諸国から持て囃されていたものの、

「日本国内の対ソ感情は現在よりはるかに悪く、長らく横たわっている北方領土問題に、国内の右翼団体などはナーバスになっていた。また、その年の8月には保守派のクーデターが起きるなど、ソ連の情勢は極めて不安定。民族問題も抱えながらの来日で、テロの恐れも十分あったのです」(同)

 その一方で、

「新生ロシアの元首として93年10月に来日したエリツィン大統領の時は、警戒レベルがやや下げられて1万人態勢の特別総合警備本部となりました。米国の元首でも、2009年と14年のオバマ前大統領、そして17年と今年5月のトランプ大統領の来日時は『総合』や『特別』といった1段下の態勢でカバーしていたのです」(同)

 今回がいかに一大事であるか、おのずと分かろう。

週刊新潮 2019年10月24日号掲載

特集「『即位の礼』式次第には書かれない『七つの謎』」より

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