ラグビー日本代表を弱くても応援した「リポビタンD」 バンカーと会長“英国での出会い”

スポーツ 2019年10月19日掲載

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日本のラグビーを本気で強くしていきたい

「その後、同じ慶応大学出身の大先輩で、大正製薬ともビジネス上の関係のある龍野和久さん(元日本ラグビーフットボール協会名誉顧問)と上原が話した際、たまたま宿澤さんのことが話題に上った。上原が宿澤さんにロンドンを案内していただいたことを話したら、『じゃあ今度、みんなで会いましょう』ということになった。宿澤さんの他、慶応OBで元ラグビー選手の堀越慈さん、上田昭夫さんも交えて、年に2、3回食事をするようになったのです」(同)

 宿澤氏がラグビー協会の強化委員長になったのは2002年。

「2000年、宿澤さんが堀越さんと一緒に大正製薬に来て、『今度、私が強化委員長になりトップリーグ(03年から始まった社会人ラグビーの全国リーグ)を立ち上げることにしました。そこで、大正製薬さんには日本代表の冠スポンサーになっていただきたい』と、頼まれたました。当時、大正製薬にはラグビー同好会しかなく、社会人ラグビーと言えば東芝さんやパナソニックさんなど、他にいくらでも大きな企業がありました。なかなか難しい旨を上原が正直に申し上げたところ、宿澤さんは『日本代表に選ばれた選手と言えども、普段しのぎを削り合っている相手チームの企業ロゴを入れたユニフォームを着ることには抵抗感があるものです。ラグビーに理解があって、かつ普段のしのぎを削り合うような強いチームを持っていない企業が一番良い。是非御社にお願いしたい。日本のラグビーを本気で強くしていきたいと思っています』と言われたそうです。それを聞いて上原も納得し『お引き受けいたします』と。リポビタンDの製品コンセプトである『努力・友情・勝利』とラグビーの精神『ワンフォーオール・オールフォーワン』の相性も良かったので、お受けしたのです」(同)

 オーナー企業だからこそ、社長の一声で決まったということか。

 大正製薬がオフィシャルスポンサーになって、2002年から欧州やオーストラリアのナショナルチームを招聘した「リポビタンDチャレンジカップ」も開催。最初のロシア戦では、日本代表が59−19で勝利を収めている。が、03年のワールドカップは4戦全敗となり、宿澤氏は強化委員長を辞任。06年、宿澤氏は、心筋梗塞で急逝した。その後も日本代表は低迷が続いたが、

「15年のワールドカップで、当時、世界ランク2位の南アフリカに逆転勝利をしたのが大きかったですね。これで流れが変わったようです」(同)

 このワールドカップでは、3勝を挙げた。ポイント制で決勝トーナメントには進めなかったが、日本代表の活躍に対し、大正製薬は選手やスタッフ全員に一人100万円の報奨金を贈った。上原氏が選手たちに直接手渡したという。報奨金は総額で5000万円だった。

 大正製薬は2016年から、理念や事業コンセプトに賛同するオフィシャルパートナーになった。

「今年のワールドカップでは、上原もスタジアムに足を運んで観戦しています。ラグビーには強い思い入れがありましたから、決勝トーナメント進出には感極まるところがあったでしょう」(同)

 今回も報奨金がふんだんに出そうだ。上原会長との出会いから三十数年。宿澤氏も泉下で喜んでいるに違いない。

週刊新潮WEB取材班

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