声優のアイドル化で“養成学校”も劇的変化 裏方コースも人気の最新事情

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メイク、ポージング、ファッション指導の勉強も

 声優に求められる要素が増えたことで、声優の卵たちが集う「専門学校」でも、年々授業科目が充実してきているという。一般的に「声優学校」は、歌やダンス、アニメーション制作といったエンタメ全般を学ぶことができる専門学校の中のひとつの学科、あるいはコースであることが多い。

「こうした学校に声優学科やコースが誕生したのは、今から10年ほど前です。すでに当時から“アイドル化”は始まっていましたから、歌、ダンス、殺陣、礼儀作法、パントマイムなど、マルチな活動を見据えた授業が行われていました」

 さらに最近は、メイクアップやポージングレッスンなど、“人前に出ること”を想定した授業が多くなったという。また、声優業界も芸能界の範疇に含まれる世界。欠かすことのできない、先輩への挨拶や現場での立ち居振る舞いなど「礼儀作法」についての授業も行われる。一見地味だが、厳しい指導が行われるという。

 このように学ぶべきことは多く、なかなかハードな学生生活を送ることになる。それでも退学者は少ないようだ。

「今の学生は、ネット情報で過酷さやレッスンの多さを知り、それを理解したうえで入学してくるので、とても意識が高い人が多いです。『どんなに辛くても、絶対に声優になりたい!』という覚悟が決まっているんでしょうね」

 生徒たちの意識の高さは、日々の生活からもうかがい知ることができる。

「自主的に食事制限や体幹トレーニングを行い、体形、姿勢、さらにはファッションにも気を遣っている子が多いですね。オーディションでは第一印象で合否が決まるともいわれているので、そこを意識しているのでしょう。実際、審査員経験を持つ講師による“オーディションで好印象を残しやすい服装の選び方”をアドバイスする授業もあったりします」

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