高輪ゲートウェイ駅前タワマンは「最低でも1億6千万円」

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 赤穂浪士の墓がある東京・高輪の泉岳寺一帯は、都心にありながら、どこか置いてけぼりにされたような感のある場所である。大きなネオン街はないし、ビジネスマンで賑わっているわけでもない。

 以前は夜中にコンビニを見つけるのも一苦労するほどだったが、最近になってモダンな駅舎が姿を現した。来年に開業予定の「高輪ゲートウェイ駅」だ。11月には“最後の大仕事”ともいえる工事が行われる。山手線、京浜東北線の線路を新駅の反対側に移すのだ。

「新駅の前(西側)にスペースを作り、大規模開発を行うのです。高輪ゲートウェイ駅は、単に山手線の30番目の駅というだけではありません。駅前をふさいでいる古いビル群をいったん更地にして、高層ビルやタワーマンションに建て替える。さらには南側にも開発地域を延ばし、将来的には品川駅と街を一体化させるという壮大な計画なのです」(JR関係者)

 JR東日本が明らかにしている「品川開発プロジェクト(第I期)」によると、生まれ変わるのは敷地面積で約7万2千平方メートル。そこに三つの高層ビルと1棟のタワーマンションが建てられる。また、下水処理場と団地ぐらいしかない海側(港区港南側)も将来の開発地域に入っており、いずれは新駅を囲むようにしてビル群が立ち並ぶことになるという。

 ところで、気になるのは新駅のそばに建てられるタワーマンションである。予定では地上45階建てで約860戸。広さは50~200平方メートル以上で、外国人ビジネスマンや富裕層のファミリー向けになる。

 価格は明らかになっていないが、新駅とは目と鼻の先。羽田空港までは20分ちょっとだし、東京駅は5駅先である。おまけに超一等地の高輪とあって「億ション」は間違いない。

 地下鉄「泉岳寺」の駅前の不動産業者に聞くと、

「この1年ぐらいで高輪のあたりは2割ぐらい地価が上がっているんです。明らかに“新駅効果”でしょう。新築のタワーマンションなら、ファミリータイプの70平方メートルで、最低でも1億6千万円になると思います」

 ちなみに、新駅予定地から少し離れた「高輪 ザ・レジデンス」は約100平方メートルで1億7800万円とある。「億ション」が建ったと大騒ぎしていた時代が懐かしい。

週刊新潮 2019年10月10日号掲載

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