不登校YouTuber「ゆたぼん」と作家「太宰治」 SNSで話題の核心部分とは?

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太宰も丸暗記は否定的

 普通、学校における勉強が批判されたり、不評を買ったりする原因として、「実生活には全く役に立たない無数の知識を、無理矢理に暗記させられても意味がない」と説明されることがある。

 詰め込み教育の弊害、というわけだが、この黒田先生の面白いところは、「日常の生活に直接役に立たないような勉強」こそ、私たちの人格を完成させると断言しているところだろう。

 ちなみに別の部分で、黒田先生は「覚えるということが大事」なのではない、とも説明している。丸暗記に意味がないことは、太宰も承知なのだ。

 最終的に黒田先生=太宰は、どういう論理展開で勉強の重要性を説いたのかは、実際に文庫を読んでいただくとして、こうして黒田先生は学校を去っていった。そして彼の言葉を紹介したTwitterは反響を呼び、10月1日現在で30万件を超える「いいね」と、10万回を超えるリツイートが記録されたのだ。

 感想を述べたツイートも多数、投稿された。その一部を、デイリー新潮の表記法に合わせて、いくつかご紹介させていただく。

《アインシュタインも「教育とは、学校で習ったすべてのことを忘れてしまった後に、自分の中に残るものをいう。」(Education is what remains after one has forgotten what one has learned in school.)と言ったとか》

《勉強すると言う体験を大事にしてほしい。その中で心に残った何かが将来の仕事や趣味に繋がるかもだし、その経験が将来の精神の強さに繋がる》

《高齢の先輩方が後悔している事の一位が勉強です。時代の影響で十分勉強出来なかった状況の世代が勉強したいと願っている。勉強に集中できる世代は存分に勉強して遊んでください。私も中学くらいからもっかい学べるなら学びたいこと沢山あるし。遅くないから今でも毎日勉強》

《こんな勉強 意味あるの?学校なんて意味あるの?と疑問に思いながら暮らして大人になった。結果、今思うのは 意味のない勉強など1つもなかったと言うこと。そして.…すべき勉強から逃げた分は、社会人になってから必要となりw 勉強し直してますね》

 無理矢理でも学校へ行く必要があるのかないのか、この点で議論が起こるのは仕方ないだろう。だが、国語、算数、理科、社会、図工、音楽、体育――という勉強、学ぶことから逃げてはいけないようだ。

週刊新潮WEB取材班

2019年10月8日掲載

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