韓国で炸裂の「チョグク氏」たまねぎ爆弾 文在寅大統領と検事総長が全面戦争

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韓国に「玉ねぎ爆弾」炸裂(1/2)

 検察の捜査対象が、検察改革を旗印に法相に就任――。まるで冴えない三文芝居の筋書きだが、お隣の国の現実である。むろん検察にも威信があり、反撃の狼煙を上げた。かくして始まる政権と検察のつぶし合いは、はたして喜劇か、悲劇か、予断を許さない。

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 むけどもむけども新たな疑惑が次から次へと出てきて、「玉ねぎ男」などという綽名がついた時点で、日本人の感覚だと、大臣になる目が残っているとは到底思えないが、お隣の韓国では、その辺りの事情がだいぶ異なるらしい。

 文在寅大統領の最側近で、大統領府民情首席秘書官だったチョグク氏(54)は、9月2日に行われた記者懇談会でも、6日の国会での人事聴聞会でも、大臣就任への強い意志と、就任後の検察改革への意欲を、あらためて強調した。そして韓国のメディアは一貫して、なにがあろうと文大統領はチョ氏の法相任命を強行する、という見方を示していた。

 だから9日、チョ氏がいよいよ法相に任命されたのは、いまさら驚きはない想定内のできごとであった。そうは言っても、幾重もの疑惑の皮について、すでに検察が捜査に乗り出している「玉ねぎ男」が、法相になって検察を指揮し、さらには改革するなど、もはや笑劇でしかなく、やはり韓国は法治国家ではなかったのか、と得心した人も少なからずいるだろう。

 文大統領が、あえて究極の選択をした理由は、「川に落ちた犬は棒で叩け」という、韓国で耳にする成句に照らせばわかりやすいかもしれない。だが、大統領の思惑と、それがもたらす結果については次記事で詳述することにして、まずは玉ねぎ状の疑惑についておさらいしておきたい。

「さすがに大統領府も、チョ氏の妻が私文書偽造罪で在宅起訴されるとは予想せず、動揺が走ったようです」

 と、韓国事情を取材している記者は言う。

「チョ氏の娘に関しては、2週間のインターンをしただけで、英語による専門論文の第1著者になり、そのおかげで無試験で高麗大学生命科学部に入学した、という疑惑があります。もう一つ、2014年に釜山大医学専門大学院に合格したのも、デタラメの自己紹介書が奏功したと言われていました。この自己紹介書には、チョ氏の妻が教授を務める東洋大学の総長から表彰状を授与された旨も書かれていましたが、9月に入ってから、総長は表彰状を渡しておらず、チョ氏の妻が偽造していたことがわかりました。検察の判断では、偽造されたのは12年9月7日。私文書偽造罪は時効が7年なので、期限が切れる直前の6日22時40分、事情聴取もないままチョ氏の妻を在宅起訴したのです」

 チョ氏がまだ、国会で聴聞会に出席している最中のことだった。

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