俳優「小泉孝太郎」が着々と実力を付けている いかりや長介、ムロツヨシとの出会い

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CM起用がプラスに

 笑顔を絶やさず、嫌味がなく、人当たりがいい。だから、バラエティー番組にもすんなり溶け込める。それより、彼に向いているのはCMに違いない。

 スポンサーにもそれは分かるのだろう。現在、「伊賀の天然水強炭酸水(SANGARIA)」、「ブレスケア(小林製薬)」、「注文住宅(アイダ設計)」など8本ものCMに登場している。芸能人の中で、トップクラスの多さである。やたら目にする「ハズキルーペ(Hazuki)」のCMでは、「松岡(修造)さん、ここでハズキルーペを」などと“仕切り役”を務めているのはご存知のとおりだ。

 複数のCMに起用されると、小泉のイメージがより上がり、俳優の仕事にもプラスになると、某芸能プロダクションの代表は解説する。

「人間は特定の人物を頻繁に見ていると、親しみを感じる。愛着を覚える。たとえば、全英女子オープンで初優勝した渋野日向子選手(20)の顔がテレビで連日流れていると、ゴルフに興味がない人まで渋野選手に親しみを覚え、好感を抱くようになる。もちろん、犯罪者とか悪い奴は別ですよ。憎悪心や嫌悪感を抱きながら見るから。なのでCMは、芸能人にとって格好の自己PRの場でもあるのです」

 CMは孝太郎に好循環をもたらしているわけだ。

 成長の背景には、俳優になってから知り合った友人たちの存在もあるだろう。良い刺激になったのではないか。たとえば、親友のムロツヨシ(43)である。

 ムロは複雑な家庭に育ち、4歳で両親と生き別れになって、親戚の家で育てられた。やがて東京理科大に入学するが、すぐに中退し、アルバイトをしながら演劇活動を開始。食えない時期が長かった。孝太郎が政治家の息子らしい生き方をしていたら、2人の人生が交錯することはなかったはずだ。

 孝太郎のルックスはデビュー時とほとんど変わらない。が、顔つきは変わった。凛々しくなった。いかりやさん、ムロたちとの付き合いが、孝太郎の内面を変容させたのだろう。何不自由なく育った2世同士で遊んでいる俳優もいるものの、孝太郎はそうではなかった。ただのお坊ちゃんには見えなくなった。これが役の幅が広がった背景にあるだろう。 

「今後は心の中に闇を抱えているような人物も演じてほしいですね」(前出・影山教授)

 救いようのないワルも今の孝太郎なら演じられるはずだ。

 気がつくと孝太郎は、このところ、ほぼ切れ目なく各局の連ドラに登場している。実力と人気の表れにほかならない。

 ひょっとしたら、滝川との結婚で陰りが見え始めたとも伝えられる進次郎の人気を上回ってしまうかも……。

「僕はもともと進次郎さんより孝太郎さんのキャラクターのほうが好きですよ」(同・影山教授)

 俳優の故・石原裕次郎さん(1934~1987)は国民的スターのままで逝き、兄の石原慎太郎氏(86)は、芥川賞として時代の寵児となったあと、運輸大臣など政界の要職を歴任した。

 小泉兄弟は石原兄弟を超えられるのか。孝太郎と進次郎のどちらのほうが高い人気が得られるのか。2人の人生はまだ半ばである。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ) ライター、エディター。1990年、スポーツニッポン新聞社入社。芸能面などを取材・執筆(放送担当)。2010年退社。週刊誌契約記者を経て、2016年、毎日新聞出版社入社。「サンデー毎日」記者、編集次長を歴任し、2019年4月に退社し独立。

週刊新潮WEB取材班

2019年9月15日掲載

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