二階幹事長vs石破茂の代理戦争が高知で勃発! どうなる衆院選

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 まさに奇襲であった。

 8月21日、高知県の尾崎正直知事(51)が、次期衆院選に高知2区から出馬する意向を表明したのだ。

 驚いたのは、同区を10期に亘って根城にしてきた自民党の山本有二衆院議員(67)である。

「山本さんは金融担当大臣や農林水産大臣を歴任した、いわば重鎮議員。一方、尾崎さんは財務官僚を経て、2007年に自民党などの推薦を受け初当選。以来、知事を3期務めてきましたが、今回の決断は、これまで支援を受けてきた地元の大物政治家に弓引く行為に他なりません」(政治部記者)

 これが一首長の思いつきであればまあ、それだけの話で済んだのであろうが、

「尾崎さんは事前に自民党県連に対して周到な根回しをしていたんです。さらに、出馬表明の前日には二階俊博幹事長に面会し、了解を取り付けている。二階さんは県連の判断を尊重するとしていますが、県連は“勝てる候補を支援する”と、暗に前回衆院選で比例復活当選だった山本さんを牽制しているのです」

 気になるのは二階氏の腹の中。

「山本さんは安倍政権に敵対する石破茂氏率いる水月会の所属。二階さんに、石破派の戦力を削ぎ、安倍さんに恩を売る意図があるのは間違いない。さらに、尾崎さんは今月7日から福島県郡山市で開かれる二階派の研修会に講師として招かれることになっている。当選後は二階派に所属するとみられ、二階さんにとっては一石二鳥なのです」

 と同記者は取材時に語った。

 一方、1日に小田原で開かれた派閥の研修会で総裁選への意欲を語った石破氏だったが、

「仮に山本さんが落選すれば石破派は18人となり、総裁選出馬の条件である20人の推薦人が遠のいてしまう。石破さんは記者を前に“俺と有ちゃんとは一心同体。何があろうと守ってやらにゃ”とこぼしていましたが、内心は腸(はらわた)が煮えくり返る思いだったでしょう」

 石破氏の、親分としての力量が試されている。

週刊新潮 2019年9月12日号掲載

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