菅官房長官、元後見人「横浜のドン」に叱られる 「カジノは許さん!」

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菅官房長官の「後見人」

 そもそも藤木氏がカジノ反対を言い出したのは2年前のこと。これがもう一つ注目を集めたのは、彼が政治家の中でも、菅義偉官房長官と最も昵懇であるためである。

 藤木氏は神奈川選出の故・小此木彦三郎元通産大臣の有力後援者だった。若き日、そこで秘書を務めていたのが菅氏である。

「藤木さんの会社によく出入りし、市会議員時代から選挙で支援をしてもらっていました。そんな関係だから、2人は師匠と弟子のようなもの。官房長官になっても藤木さんはよく官邸に行っていましたし、菅さんも事ある度に御礼をしていた。ある時、菅さんと会っていたら、藤木さんから電話がかかってきた。彼は直立不動で“会長!”“会長!”と言っていましたよ」(同)

 言わば、菅官房長官にとって藤木氏は「後見人」だ。

 他方、地元・横浜の林市長は菅氏の直系として知られる。

「2期目以降の選挙を全面的に応援したのは菅さんです。また、横浜市会には、菅さんの秘書を務めた議員が多くいる。役所も同様で、課長以上の人事はみな、菅さんへの相談が必要、と囁かれるほど」(同)

 林市長の決定は菅氏の意向抜きにはありえない。そして、菅氏は政府のIR推進本部の副本部長を務める「旗振り役」。すなわち、今回の横浜市のカジノ誘致は菅氏が大恩ある後見人を切ったという構図になる。

(2)へつづく

週刊新潮 2019年9月5日号掲載

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