菅官房長官、元後見人「横浜のドン」に叱られる 「カジノは許さん!」

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コワモテの一面も

 この会見には100名以上のマスコミが集まった。

「藤木さんの存在はそれほど大きいんですよ」

 と言うのは、横浜市政の関係者。

「何しろ、藤木さんは“横浜のドン”。横浜エフエムの社長であり、横浜スタジアムの会長も務めた、地元の顔役の一人。警察官友の会の会長も務め、歴代の神奈川県警の本部長は就任すると必ず挨拶に行く。政界人脈もすごく、歴代の横浜市長や神奈川県知事はみな藤木さんの支援を得て当選してきた。だから、その意向は無視できないんです」

 というから、林市長も大変な挑戦状を受け取ってしまったものだ。

「今は高齢ですからそれほどではありませんが……」

 と言葉を継ぐのは、また別の市政関係者。

「昔は朝8時に藤木企業に行くと、陳情の人が列を作っているんだよ。時には国会議員もいるし、横浜の副市長、局長、そして民間の社長……。藤木さんはその要望を聞いていろいろな人を世話してあげていたね」

 その藤木氏、コワモテの一面もある。その昔、荒くれ者をたばねる港湾荷役業はヤクザと切っても切れない縁があった。彼の父で、藤木企業創業者の幸太郎氏は全国港湾荷役振興協会の会長も務めたが、副会長だったのが、山口組3代目組長の田岡一雄氏。2人は付き合いが密で、息子の藤木氏自身も、著書で田岡氏のことを「田岡のおじさん」と呼んでいるほどである。

 政界人脈は地元に限らず、

「古くは石原慎太郎元東京都知事、“参院のドン”と言われた村上正邦元労働大臣、今でも麻生太郎副総理とはよく会食をしていますし、二階俊博幹事長とも兄弟分の間柄です」(同)

 それに加えて、藤木氏が会長を務める横浜港運協会の加盟企業は、カジノ建設の予定地、山下埠頭に多くの事務所や倉庫を持つ。「居座る」の言葉通り、彼らが立ち退かなければ、市は最終的には強制執行などの手段を取らざるを得ない。あまりに重い反対表明となったワケなのだ。

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