日韓断交? その先へ(KAZUYA)

国際 韓国・北朝鮮

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「分っちゃいるけどやめられねぇ」

 植木等さんが唄う「スーダラ節」の印象的な一節です。一杯のつもりがはしご酒……いけないと思いつつ何かをやめられない心理は誰しも経験があるでしょう。

 日韓関係も「分っちゃいるけどやめられねぇ」状態になっています。こちらは破滅に向かって一直線。特に韓国側の動きは逆に心配になるほどです。

 8月15日の終戦記念日は、韓国では日本から解放されたことを祝う光復節です。演説を行った文在寅大統領は対日批判を控えめにしたと各紙報道しています。しかし韓国の実際の行動は日本との関係を悪化させる方向に進んでいるようです。国民は不買運動を行っており、ユニクロや無印良品など日系企業に影響が出ています。また、大韓航空は9月以降の一部路線の減便を決めました。

 さらに更新が迫っていた日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は、破棄をちらつかせて日米から制止する声が上がっていましたが、8月22日に正式に破棄を発表しています。

 北朝鮮がミサイルをポンポン飛ばしている状況なのに、日本憎しで正しい方向を見失っているようです。

 協定は日韓にとってメリットがあります。北のミサイル発射に際して、分析力は日本のほうが優れているため、韓国こそ日本の情報が入らなくなれば問題でしょう。

 日本の輸出管理体制見直しへの対抗策なのでしょうが、韓国も協定の破棄は関係をさらに悪化させ、自分たちが逆に苦しくなると理解はしているでしょう。

 しかし日本に対する強気な姿勢をやめることは出来ません。

 南北融和も進まず、文在寅大統領が8月15日の演説で北朝鮮との五輪開催や統一への意欲を見せると、朝鮮中央通信は「二度と韓国と向き合わない」「まれに見る図々しい人物」という主旨の報道官談話を放送しています。米国や中国との関係も良いとは言えません。経済もボロボロの状況ですから、反日を利用して支持を稼ごうとする、いつもの韓流と見ることも出来るでしょう。

 これまでは駄々っ子の韓国に日本が折れていたので、ここまでエスカレートすることはありませんでした。今回は日本が折れないので韓国も今までの手法が通用せず困っているのでしょう。もはや韓国は自傷行為をしているようなものです。破滅へ向かってタイムアタックでもしているのでしょうか。

 親日になれとはいいませんが、日本と適度に付き合えば経済的にも安全保障的にも大きなプラスになるのに……しかし反日をやめられない。

 一体この先に何が待っているのか? 日韓関係は未知のエリアに突入しました。

 GSOMIAの破棄に歓迎の声を示す韓国人もいますし、政治家も安易な妥協は出来ないでしょう。中国にはTHAADの問題で簡単に折れたくせに、日本に対してはそれが出来ない。

 嗚呼、分っちゃいるけどやめられねぇ。しかし自業自得なので、日本は粛々と対応しつつ放っておくのが一番です。

KAZUYA
1988年生まれ、北海道出身。12年、YouTubeで「KAZUYA Channel」を開設し、政治や安全保障に関する話題をほぼ毎日投稿。チャンネル登録者66万人、総視聴数は1億4千万回を超える。近著に『日本人が知っておくべき「日本国憲法」の話』(KKベストセラーズ)

週刊新潮 2019年9月5日号掲載

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