劇団ひとり「クイズ小学5年生」に早くも暗雲 “リスクの高い番組”と言われる理由
海外フォーマット購入のデメリット
「『クイズ小学5年生』は、米FOXなど世界40カ国以上で放送されている人気企画なんです。日テレは、米国番組のフォーマットをわざわざ購入して、制作しています。世界中で成功している実績があるのだから、日本でもヒットするだろうと判断したのでしょう。ただし、海外フォーマットを購入するということは、アメリカにライセンス使用料を払いながら番組を制作しなければならないので、制作費もかさみます。ですから、制作費が縮小傾向にある日本のテレビ業界では、バラエティ番組の海外フォーマットを購入するのは大変珍しいと言っていい。視聴率が取れるのならともかく、そうでなければ、当然、責任問題に発展します」(同・民放プロデューサー)
みのもんたのキメ台詞“ファイナル・アンサー?”が人気だった「クイズ$ミリオネア」(フジテレビ)も、英国の「Who Wants to Be a Millionaire?」のフォーマットを購入して制作された番組だった。しかし、視聴率が二桁を切ると、さっさと打ち切られた。
「ライセンス料が高いから、それなりの高視聴率が取れなければ続けられません。さらに、簡単にテコ入れもできません。また“1年間に何本オンエアする”という契約まで結ぶので、タイミングが悪ければ打ち切りにもできない。まだ特番とはいえ、『クイズ小学5年生』が問題視されるのは、こういう事情があるためです。また、日テレは最近、特番で視聴率を稼いだ番組をレギュラーに昇格させる傾向があるのですが、同様に4月にレギュラー化した『衝撃のアノ人に会ってみた!』の視聴率が悪く、日テレ全体の視聴率を下げているとまで言われています。『クイズ小学5年生』も同じ道を辿ることになりやしないかと、心配されているようです」(同・民放プロデューサー)
一方、ライバルのテレ朝は新企画を、特番よりもまずは23時台でレギュラー化。実績を残した番組をゴールデンに昇格させるという傾向があるという。
「テレ朝の23時台からのゴールデン昇格も、失敗作が増えていますからね。10月にゴールデンに昇格する『マツコ&有吉 かりそめ天国』もそうですね。ただ、これも深夜だからこそ放送できた内容が、ゴールデンでは放送できなくなるのではないか、と言われています。特番からレギュラー化する日テレと、23時台からゴールデンに昇格させるテレ朝、どちらの編成方針が正しいかは賛否両論があります。日テレ方式なら、企画の伸びしろを考慮さえすれば、すぐにゴールデンでレギュラー化するのも勢いがあっていいという考えもある。テレ朝のように23時台や深夜で万全の態勢を整えてから、晴れてゴールデン進出がいいという考えもある。ただし、23時台でレギュラー放送しているうちに新鮮味がなくなるとの指摘もありますね」(同・民放プロデューサー)
「小学5年生クイズ」には、レギュラーに所ジョージ(64)を加えるとの報道も出ている。「ポツンと一軒家」で日テレを打ち負かしている所を引っ張ってくるというのだ。三冠を賭けた仁義なき戦いは熾烈である。
はたして、有吉を切った日テレの「小学5年生クイズ」、有吉をゴールデンに持ってきたテレ朝「かりそめ天国」、勝者はどちらに?
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