「女性の方が高学歴」のカップル・夫婦はなぜ上手くいかなくなりがちなのか

大泉りか 女のライフハック ライフ 2019年8月27日掲載

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 現代社会を生きる女性が避けては通れない「婚活」「結婚」「妊活」「子育て」。これらのライフイベントに伴う様々な困難にぶつかりつつも、彼女たちは最終的には自分なりに編み出した「ライフハック」で壁を乗り越えていきます。読めば勇気が湧いてくるノンフィクション連載「女のライフハック」、待望の第4回です。

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「めでたし、めでたし」のその後

 35歳の時に結婚をした。恋愛の末の結婚だったけれど、そこに至るまでにも幾人もの男性と付き合い、そして別れを経験してきた。恋人と別れると、すぐさま次の恋人となる候補者を探す。まるで何かに急き立てられるように、絶え間なく恋愛をしてきたのは、「恋愛をして、結婚する」ためには「恋人」の存在が必要不可欠だったからだ。

 物心のついたころから「恋愛をして、結婚する」ことが当然だと思っていた。それは大学の同級生同士だった父と母が、在学中に恋に落ちて卒業後に結婚に至ったことや、幼い頃から読んでいた童話の多くが、「ヒロインと王子さまは、結婚して幸せになりました。『めでたし、めでたし』」をハッピーエンディングとしていたことと関係しているように思える。思春期に読んで多大な影響を与えられた少女漫画もおおむねしかり。

 わたしは、自分でも気が付かないうちに、特別な相手と出会い、恋に落ちて結婚して、愛する子どもを育てること――ロマンティック・ラブ・イデオロギー――の信者となっていたのだと思う。

 もっとも、それはわたしだけではないと思う。最近では、ポリアモリー(複数の人と同時に、それぞれが合意の上で性愛関係を築くライフスタイル)やオープンマリッジ(夫婦間以外の性的な関係に対して、相互の合意の下に開かれている結婚の形)といった言葉を耳にすることもままあるが、まだまだ主流にあるとは決していえない。

 データを見ても、2015年に行われた第15回出生動向基本調査の「結婚年次別にみた、恋愛結婚・見合い結婚構成の推移」によると、恋愛結婚は87.9%、対して見合い結婚は5.3%となっている。ちなみにこの「見合い結婚」には結婚相談所で出会ったものも含まれる。

 こうした現状で、わたしが気になるのは、恋愛を経て結婚した女性たちの行方だ。「めでたし、めでたし」のその後……というのも、平成29年度版の司法統計によると、離婚調停の申し立ての動機は男女ともに「性格の不一致」が第1位なのだ。具体的には、夫側からは約61.6%、妻側からは約39.4%が「性格の不一致」を理由に離婚を訴えている。恋愛を経て結婚したというのにもかかわらず、なぜ「性格の不一致」が離婚の最たる原因となるのか。

 結婚して家族となり、そして恋愛が終わったその時に、パートナーに何を思うか。咲子さん(仮名・40歳 家族構成:夫45歳、長女10歳、長男6歳)は、結婚後、パートナーに不満を抱くことになったひとりだ。

 咲子さんは、某有名私大卒。現在は都内のメーカーに勤務している。趣味は映画鑑賞、美術館巡り、そして、サブカルチャーのイベントにもしばしば足を運ぶ、いわゆる“文化系女子”。

 一方で、夫の裕一さん(仮名)は高校を卒業後、バーや居酒屋といった飲食系のアルバイトを経て、いまはとある居酒屋チェーンの社員として働いている。

 そんなふたりの出会いは、咲子さんのキャバクラ勤めがきっかけだった……というと、有名私大を卒業したのになぜ、と疑問を抱くかもしれない。しかし、咲子さんがキャバクラ勤めに至った理由は、“ロスジェネ”といわれた我々の世代の不遇に一因がある。

「就職活動したけど、すべてダメだったんですよ。広告関係の会社を受けたんだけど、軒並み落ちちゃって。卒業後は、学生時代にバイトをしていた塾講師を続けつつ、就職先を探しました。

 それで、なんとか1年遅れくらいで、求人誌で見つけた小さな広告代理店に就職できたんですけど、ちょっと業務がハードすぎたところに、当時一緒に住んでいた彼氏が、他の女を作って出て行ってしまった。ちょっと心も体もメタメタになって一回休むことにして、それでもお金は必要だっていうんで、キャバクラで働き出したんです」

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