TBS「動物スクープ100連発」が驚きの視聴率 フジは視聴者をナメて惨敗の明暗

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連発ものにもハズレがある

「衝撃映像の連発モノは、自局で撮った映像でもないのでコストも安いし、お手軽に作れる番組ではあるわけです。だからといって、すべてが当たるとは限らない。現に、7月9日にフジが放送した『見逃せない瞬間MAX初夏の衝撃映像53連発』は4・6%しか取れなかった」(同・民放プロデューサー)

「53連発」という数字も中途半端だったが、その内容も、着地に失敗して九死に一生を得たスカイダイビングの映像や、大雨の中はしゃぐ子供に子度の傘に雷が落ちるも奇跡的に助かった映像など、なんだか既視感のある映像から始まった中途半端な番組だった。

「視聴者をナメてはいけませんよ。実際に使い回しの映像もあったと思いますが、それは仕方のないこと。この手の番組が増えたのは、すでに買い付けた映像が手元にあり、並べ替えたり、編集次第で、お手軽にできるから。そして、その番組には大したゲストを呼ばなくても成立するので、ギャラの高いタレントを呼ぶ必要もない。さらに、爆発的な数字は期待できないものの、裏が強力な番組でも大コケすることがないからです。しかし、『53連発』のように、冒頭に既視感のある映像を持ってきたりすると、視聴者はチャンネルを変えてしまいます」(同・民放プロデューサー)

 そんな中、なぜ「動物100連発」が注目されているのだろう。

「衝撃映像の連発モノだけでなく、動物番組もすでに飽和状態と言っていいでしょう。事実、『動物100連発』と同じ12日に放送された『坂上どうぶつ王国』(フジ:19時~20時)は、6・5%でしたからね。そんな中にあって、TBSは飽和状態にある両者を合体させるという奇策に出たわけです。動物モノはストレスなく安心して見ていられますし、その映像が連発で次から次へと出てくるわけです。これまでありそうでなかった企画で、業界では『この手があったか!』と話題になっています。実はこの番組も、すでに2回目。1回目は2月に放送されています。半年も経たずに再び制作されたということは、初回の数字もそれほど悪くなかったということでしょう。今回13・9%も取ったということで、他局は2匹目のドジョウを狙った番組を作るでしょうね」(同・民放プロデューサー)

「動物100連発」では、国内の飼い主からの映像も紹介されていた。SNSやYouTubeに素人が動画を挙げるようになって、映像の集め方にも変化が出てきたようだ。

「動画の投稿も募集していましたからね。海外から買うよりも、より一層安く映像が手に入るということにもなります。そんな中で、どう差別化を図れるかが、我々の腕の見せどころということになりますね」(同・民放プロデューサー)

週刊新潮WEB取材班

2019年7月24日掲載

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