大坂なおみが女王に返り咲けるかどうかは「父離れ」にかかっている?

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 世界ランキング2位でありながら、7月1日のウィンブルドン初戦であっさりとストレート負けを喫した大坂なおみ(21)は、憔悴した表情で記者会見場に現れた。シャワーも浴びず、着替えもせず、試合で身に着けたウェアのままだった。そして女王らしからぬ、子供っぽさだけを見せた――。

 記者会見場で英語の質問が矢継ぎ早に飛ぶなか、大坂がか細い声で一言二言、短く応じていく。しかし、耳をそばだてても聞こえにくい。

「通常、試合後の記者会見は英語での質疑の後、大坂選手の母国語である日本語で質問できることになっています」(テニス担当記者)

 会見が始まっておよそ4分半後、「退室していい? 私、泣きそうなの」と、大坂は退出。日本語での会見に備えていた邦人記者たちは呆気に取られ、彼女を戻すよう主催者に働きかけたが、聞き入れられず肩透かしを食らった。

 屈辱の黒星を付けられた相手のユリア・プティンツェワ(24)は、ランキング39位の格下。

 大坂を見続けてきた国際テニスライターの神仁司氏は言う。

「ウィンブルドンの芝のコートは、ボールが低く弾み、球足が速い。また、イレギュラーしたり、足を滑らせることもあります。大坂が得意とするハードコートとは勝手が違うのです」

 元プロテニス選手である不田涼子さんもこう話す。

「敗因を挙げるなら、経験不足ですね。大坂さんがウィンブルドンに出場するのはこれが3回目。まだ、天然芝の戦い方に慣れていません。一方のユリア選手はスライスやドロップショット、ロブを用いて、大坂さんの嫌がるプレーを続けました。ユリアには決して諦めない気の強さがあります」

 打ち合っても勝てないことを理解したユリアは、終始大坂のミスを誘い、それがハマったが、技術以上に問題視されるのが全米・全豪王者のメンタルだ。

「大坂さんは若くして、一気にトップまで上り詰めてしまった。まだ21歳で、感情をコントロールし切れないところがあります。記者会見を打ち切るなんて、プロとして許されないと頭では理解しているのに、心が追い付いていないのです」(同)

 そんな大坂を上手く操り、グランドスラム2連覇に導いたのが、今年2月に解任された前コーチのサーシャ・バインだった。

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